MicrosoftがIVASを米陸軍に納入 - 日本と自衛隊はどうする

2021年4月2日金曜日

閑話 時事 政治

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モバイル端末に関する驚くようなニュースが飛び込んで来ました。
 
 
 
 
リンク先の報道によれば、Microsoft は自社製の拡張現実(AR)ゴーグル型端末の HoloLens2 をベースに開発した、陸軍仕様のARデバイス IVAS (Integrated Visual Augmentation System) を12万台納入する事を明らかにしたそうです。
納入するサービスにはクラウドサービスのAzureも一部含まれるそうです。
 
Microsoft と米陸軍は2018年11月から近接戦闘部隊の兵士用ヘッドセットの技術契約を締結しIVAS;統合視覚増強システムの開発を進めていたそうです。
 
納入金額は10年間で最大219億ドル(約2兆4200億円)に上るという事で、Microsoft の株価は一時3.1%上昇したという事です。
 
 

ARのデファクトはHoloLensで決まり

 
ここからは私の勝手な意見と妄想ですが、
ARデバイスはスマホの次世代デバイスになるかも知れないと期待されているデバイスで、Microsoft以外にも、FacebookやAppleなど大手IT企業が開発に鎬を削っている分野でもあります。
 
ARデバイスが現在のスマホを駆逐して新たなモバイル端末のデファクトスタンダードになるかどうかは、現時点では分かりません。
しかし、米国陸軍へIVASの正式採用によって、ベースとなったHoloLens2の信用は大幅に向上する事になるでしょう。
Microsoftは国防総省にもセキュリティ技術の提供をしていますので、セキュリティ分野の信用力は絶大です。
今回のIVAS採用の件で、HoloLens2にも米国陸軍のお墨付きが付いたわけです。
 
ARデバイスの将来のデファクトスタンダードはHoloLensの後継端末で、ほぼ間違いないと思います。
IVAS は HoloLens2 をベースに開発した製品ですから、その開発ノウハウは次の HoloLens3 に反映されるでしょう。さぞかし素晴らしい製品として登場するだろうと想像できます。
 
 
繰り返しますが、ARデバイスが将来スマホに取って代わるデバイスになるかどうかは、現時点では分かりません。
 

西側の陸軍IT機器もIVASになるのではないか

 
このニュースに聞いて、最初に思ったのは「日本の陸上自衛隊はこんなARデバイスを装備できるだろうか」という事です。
日本ではIT産業が発展していませんので、日本製のOSやiPhoneのような国産のIT端末が存在しません。
その昔「B-Tron」というデスクトップOSを開発し普及させようとした事があったのですが、米国のスーバー301号法という貿易制裁の対象になって、国内家電メーカーがビビって「B-Tron」対応のPCを作る事を拒否してしまいました。
結果として「B-Tron」OSは消滅し、国産デスクトップOSは消滅してしまいました。
 
「B-Tron」と同一の開発者によって開発された、組み込みOSの「I-Tron」は広く普及し、現在ではIEEEの国際的な標準規格品として採用されています。
なので「B-Tron」は技術的に劣っていたわけではありません。
むしろ当時のWindows95より優れていたと思います。
 
話を戻しますが、日米は同盟国なのだから陸上自衛隊も米国陸軍と作戦行動を共にします。
IVASは位置情報共有システムでもありますので、陸上自衛隊にも近い将来必要になるものです。
しかし、日本にはグラフィックインターフェイスを制御出来るOSが存在しません。
陸上自衛隊が同様のシステムを導入しようとするとIVASを購入するしかありません。
日本ではスマホですら日本独自の規格製品が存在しませんから、作れないのです。
 
技術的には任天堂やソニーなどゲーム機メーカーなら作れるかも知れませんが、ゲーム機メーカーが防衛産業に兵器を納入するでしょうか。
 
私は企業イメージから考えて難しいと思います。
米国なら可能でも、日本のユーザーはまだ軍事技術にアレルギーが強いです。
 
コロナ禍対策でも防衛費から生物兵器対策としてワクチンの開発体制など構築しておくべきなのですが、ワクチンに対する偏見と、軍事に対する偏見の、両方が障害になるでしょう。
 
 
陸上自衛隊だけではありません。
欧州のIT技術も米国に比べると劣っており、西側陣営とも呼べる自由主義民主主義法治国家の陣営で米国の同盟国の国々は、米国のIT技術を購入するしか選択肢が無いかもしれません。
 
もし西側陣営が全てIVASを導入したら、陸軍戦力の肝をMicrosoftと米国に握られてしまいます。
別に米国と戦争する必然性はないですが、将来米国と外交衝突する可能性は十分にありますので、軍事技術のコアを米国に握られるのは避けるのが、軍事の常識と言えます。
 
もちろん技術力の制約がありますので、戦闘機やイージス艦など、米国から買ってくるしかしょうがないものもありますが、できる限り自国の兵器は自国で作ろうとこれまでも日本の防衛関係者は努力してきて、戦車などはついに10式戦車で完全国産品を作る事ができるようになりました。
国産戦闘機F-3の開発も努力しているのは、知っている人は知っている話です。
 

国産IT機器の開発を切望する

 
正直、ここに来てたかが「位置情報共有機器のARゴーグル」が日本で作れない現実を認識させられるとは思いませんでした。
 
最近、LINEの一部業務の中国への委託が発覚した問題でも、国産IT機器の欠如により、国民の個人情報を守ることもできない現実に直面したばかりです。
 
今からでも任天堂でもソニーでもTRONでも、LinuxでもFreeBSDでも何でも良いですので、日本国や日本人が完全に制御できて、安心して国民の機密を預けられる国産IT機器の開発を進めるべきだと思っています。
 
別に民間企業や一般国民はこれまでと同様に海外製のIT機器を使用していても問題ないと思いますが、国家機密や安全保障や国民の個人情報を扱うIT機器は、国産である必要があります。
 
IVAS米国陸軍納入のニュースは、
外資系IT機器より性能が劣っていても良いですので、国産品の開発を切望したくなるニュースでした。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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