事実に否定されたノーガード集団免疫論

2020年12月18日金曜日

時事

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12月18日に日経新聞でかなり重要な報道が行われていた。

抗体保有2波でも0.15% 神戸大が1万人調査

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC17A3J0X11C20A2000000

 

神戸大で感染第2波が到来していた時期に医療機関で採取した約1万人分の血清を解析して、「中和抗体」を保有している人を確認したところ、全体の0.15%しか抗体保有者が存在しなかったそうだ。

 

この件は神戸大学から直接発表されている。

 

兵庫県における新型コロナウイルス大規模血清疫学調査

https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/collaborations/2020_12_17_02.html

 

引用

「神戸大学大学院医学研究科附属感染症センター臨床ウイルス学分野の森康子教授らの研究グループは、2020年8月6日から10月1日に、兵庫県内の5病院、1施設から提供を受けた10,377人の血清中における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体※1の有無を多角的に解析し、中和抗体の保有率がわずか0.15%であることを明らかにしました。この調査結果は、いわゆる第二波が終息の兆しをみせた2020年10月初め時点においても、兵庫県内における新型コロナウイルスの感染率が極めて低いことを示す結果であると考えられます。

現在、兵庫県をはじめ日本全国でいわゆる第三波が到来していますが、今後も新型コロナウイルス感染拡大に注意を要する必要があると考えられます。」

 

調査期間は8月6日~10月1日で、10月1日の時点で感染者は0.15%しかいない。

10月1日までに約2700人の感染者が確認されているが、実際には7000人ほど感染していたと推計されているそうだ。

 

現在第三波が到来しているが、こちらも確認されている感染者数より実際の感染者数が多い可能性がある。

現在は検査装置の精度も高く検査数も多いので、第二波より多く感染者を発見している可能性はあると思うが、どちらにせよ実際の感染者数は二倍ぐらい多いと思うべきだろう。

 

感染対策で失敗を明言したスウェーデン国王

同日の日経新聞の報道で、先進国で最もノーガードに近い戦略を採用していたスウェーデンの報道も行われた。

 

スウェーデン国王、コロナ死者増「我々は対策失敗した」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17CFG0X11C20A2000000

 

引用

「店舗などを閉鎖しない緩いロックダウン(都市封鎖)を続けてきた同国では、感染者数と死者数の増加に歯止めがかからない状況が続いている。

グスタフ国王は国民向けのテレビ演説で、「多くの人が亡くなったことは非常につらく、我々は失敗したと思う」と語った。」

 

人口1千万人のスウェーデンで約7800人死亡しているので、これが人口1億2600万人の日本だったら9万8000人ほど死亡している事になる。

 

欧州の中で特に悪いとも言えないが、お世辞にも感染症対策に成功しているとは言えない。

日本で9万8000人も死亡していたら政治が持たないだろうし、同じ戦略を基礎疾患持ち高齢者の多い日本で実施していたら、もっと多くの死亡者が出ていただろう。

 

スウェーデン国王の言うとおり、スウェーデンの感染症対策は失敗だったと考えるのが正しいと思う。

 

ノーガード戦略論は現実に否定された

感染症の拡大当初から「コロナはただの風邪」と主張し、三密回避やソーシャル・ディスタンスなどの感染症対策を否定してきた人々がいる。

私はその人達を「ノーガード戦略論者」と呼んでいるが、この二つの報道はノーガード戦略論が間違いであることを証明する事実だ。

 

第2波の時点(約半年)で社会全体の0.15%しか抗体保持者がいないのなら、集団免疫に必要な70%の人間が抗体を獲得するには230年ぐらいかかってしまう。

ノーガード戦略で集団免疫を獲得するなど不可能なのだ。

 

もう一つ重要な問題として、この感染症は軽症ながらも症状が長期化するケースが少なくない。

 

コロナの後遺症が当事者以外にも厄介すぎる訳

https://toyokeizai.net/articles/-/368605

 

新型コロナ死者の肺に重度の損傷、症状「長期化」の原因か=研究

https://es.reuters.com/article/health-coronavirus-lungs-idJPKBN27K0HY

 

重症化率や死亡率が低くても、軽症者の1割程度は後遺症が長期化するらしい。

ノーガード戦略で感染が拡大するとこの社会的ダメージは想像を絶する。

 

もし症状の長期化した患者が数百万人に達したら医療はどうなるだろう。

人員だけの問題ではなく、医療費の面からも薬剤の面からも医療体制が保たないと思う。

 

ノーガード戦略論はとても有害な風評だ。

 

神戸大の報告はノーガード戦略論の間違いを証明するには十分なものだと思う。

「ノーガード戦略論者」は早急に間違いを認めるべきだ。

 

抗体は意外に長持ちする

最後に少し明るい話題で締めたいと思う。

 

新型コロナの抗体、半年持続 横浜市立大が調査・確認

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66891980S0A201C2MM0000

 

新型コロナウイルス感染症回復者のほとんどが、6か月後も 抗ウイルス抗体および中和抗体を保有していることが明らかに

https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2020/20201202yamanaka.html

 

引用

「新型コロナウイルス感染症回復者専用抗体検査PROJECT*1」において、感染から6か月が経過した回復者を対象に参加を募ったところ、本年7月29日~9月30日の約2か月で619名もの方から参加希望がありました。そのうち、10月26日までに採血して検体測定を完了した376例のデータを解析した結果、ほとんどのCOVID-19回復者が、(1)抗ウイルス抗体を保有し、かつ(2)中和抗体を保有していることが判明しました。数ある抗体の中で、中和抗体はウイルスの細胞への侵入を阻害する役割をもち、再感染を防ぐ抗体を指します。なお、中等症・重症の方が、軽症に比べて、中和抗体の活性がより強い傾向にあるという結果も得られました。

 

一度、コロナに感染して回復した人の98%に半年後も抗体が残っていることが分かったそうだ。

半年の段階で98%なのでさらに長く抗体が保持されるということにもなる。

コロナの抗体はかなり長期間残るようだ。

これはワクチンの効果にも期待できる事を意味する。

ワクチンの抗体がもし1年保つならインフルエンザワクチンのように年に一回ワクチンを接種すれば、コロナウイルスを防ぐことができると言うことになる。

 

自然感染による集団免疫はまったく期待できないが、免疫抗体は期待できる。

一度、感染して回復した人は再感染の心配をほぼしなくて良いのではないか。

 

0.15%の人達は感染症の心配をすることなく経済活動することができる。

 

感染症が少し治まったら、抗体検査を実施して抗体保持者を明らかにし、抗体保持者だけ先に経済活動を再開させたらどうだろうと思う。

0.15%なら19万人ぐらい存在することになる。

第三波も含めればもっといるかも知れない。

 

抗体保持者に「どうしても感染リスクの高くなる仕事」を依頼することが可能になる。

 

議論の必要な話ではあるが、そろそろその様な事が可能な時期でもある。

検討してみても悪くないのではないか。

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