機械判読可能の為にExcelは二つのワークシートに分けて作成してください

2020年11月29日日曜日

閑話 時事

t f B! P L

昨日、Twitterを眺めていると、政府の「機械判読可能データ」の規則案について、批判的なツイートが流れていた。

本人の名誉のため直接引用しないが、その文面は以下のような内容だった。

「機械可読にするためにセルの結合をやめろと言っている人たちは、服のサイズに体を合わせさせた大日本帝国陸軍と同程度に間違っている。ユーザにとって見やすく親和性の高い様式をソフトウェア技術の稚拙さのために放棄させている。機械に人間を合わせさせている。

なので、セル結合などを使わせないことをリテラシー教育など称して威張り腐ってユーザに押し付けるのは大間違い。むしろリテラシーが足りないのはソフトウェアの都合を人間に押し付けるソフトウェア技術者のほう。リテラシー教育だと威張る前に、まずはソフトウェア技術の稚拙さを詫びるべきなんだ。」

 

言いたいことの意味は理解できるが、正直なところ「この人はExcelの使い方を間違っている」と言いたい。

「Excelの使い方を知らない」責任がこの人の所属する会社や上司にあるのかも知れないが、はっきり言ってこの批判はお門違いである。

 

「機械判読可能データ」の規則案は、「ユーザにとって見やすく親和性の高い様式」を放棄させたりしていない。

なぜこんな誤解が生じているのか、機械判読可能データとして正しいExcelの使い方で、解説したいと思う。

 

Excelのワークシートを二つ以上に分ける

機械判読可能で、且つユーザーにも読みやすいExcelワークシートを作成する時は、ワークシートをユーザー閲覧用と機械読み込み用の二つに分ける。

暫定的に、

機械読み込み用のワークシートを「データシート」、

ユーザー閲覧用のワークシートを「プレゼンシート」と呼ぶ。

 

参考までに簡単に、内閣府GDP統計で簡単なサンプルのExcelブックを作成した。

 

まず、内閣府のサイトからダウンロードした内閣府GDP統計のCSVファイルの一つ「実質暦年」のCSVの内容を「データ」ワークシートに丸ごと貼り付ける。

データシート図

 



データシートは機械読み取り用なので、ユーザーにとっての読みやすさは考慮する必要が無い。

機械判読可能の規則に忠実に従ってワークシートを作成する。

 

次に「プレゼン」ワークシートにユーザーが見やすい様に、レイアウトを工夫して閲覧用のワークシートを作成する。

このプレゼンシートでは「セル結合」や「単位と数値データの同時表記」など、機械判読可能規則で禁止されている書き方を全て使って良い。

 

プレゼンシートの作成では、まず大枠のレイアウトを決め、どこに何を書くかどんな装飾にするか決める。

 

次に、具体的に表記するデータをデータシートのセルへのリンクを張る事により、プレゼンシートで表示する。

 

以下の図は簡単に私が作成したプレゼンシートである。

表示した数値データは全て、「データ」ワークシートからのリンクで表示しており、「プレゼン」ワークシートには数値は一切記入していない。

 

プレゼンシート図

 



リンクのやり方は、

まず、「プレゼン」ワークシートの「数値を表示するセル」を選択する。

そのセルで = (半角イコール) を入力し、その状態で「データ」ワークシートへ移動して、「データ」ワークシートの参照したいセルを選択して「Enter」キーを押す。

すると元の「プレゼン」ワークシートの選択したセルに戻る。

そのセルには「データ」ワークシートで選択した数値データが表示されているはずだ。

 

セルの値は、以下のような内容になっているはず。

=データ!A23

 

原理的にはこれをセルの数だけ行う事になるが、そんな作業は大変なので簡単に複数のセルのリンクを作成する方法がある。

普通のExcelの使い方と同じなのだが、例えば「プレゼン」ワークシートのリンクセルを選択する。横に複数選択しても良い。

そしてセルの右下の角にマウスポインタを移動して、マウスポインタの形が + の形になったら、左クリックしたまま、下方向へ数行マウスポインタを移動する。

すると、一行ずつ下の「データ」ワークシートのセルの値が表示されるはずである。

 

この作業をそのデータを表示したい好きな場所に表示すれば良い。

「プレゼン」ワークシートは人間しか読まないので、機械判読可能の規則に従う必要が無い。

 

機械判読可能の規則に従う必要があるのは、「データ」ワークシートだけである。

 

また、「プレゼン」ワークシートと、「データ」ワークシートは、一対一で作成する義務はない。

「プレゼン」一つに「データ」が複数有っても良い。

逆もあって良い。

一つのブックに収まっていれば良い。

 

批判について

最初の批判文の「ユーザにとって見やすく親和性の高い様式をソフトウェア技術の稚拙さのために放棄させている。」という意見は単なる誤解である事が分かるはずだ。

批判文には以下のような記述もある。

「セル結合などを使わせないことをリテラシー教育など称して威張り腐ってユーザに押し付けるのは大間違い。むしろリテラシーが足りないのはソフトウェアの都合を人間に押し付けるソフトウェア技術者のほう。リテラシー教育だと威張る前に、まずはソフトウェア技術の稚拙さを詫びるべきなんだ。」

これを見ると何が悪いか一目瞭然だ。

このユーザーにリテラシー教育を担当しているソフトウェア技術者が「正しいExcelワークシートの作り方」を説明していないのが原因だ。

このユーザーを責めるつもりはないが、担当のリテラシー教育者の教育内容に欠陥があると言わざる得ない。

 

そして「むしろリテラシーが足りないのはソフトウェアの都合を人間に押し付けるソフトウェア技術者のほう。リテラシー教育だと威張る前に、まずはソフトウェア技術の稚拙さを詫びるべきなんだ。」というのは、障害の要点を間違えている。

Excelは十分に高性能で使いやすいソフトウェアである。

とても「ソフトウェア技術の稚拙」とは言えない。

 

正しいExcelの使い方を覚えるべきだし、ソフトウェア技術者はユーザーに教えるべきだろう。

 

その点が気になったのでこの記事を書いた。

 

是非、機械判読可能の規則が厳しくなったら、この記事で解説したように「データシート」と「プレゼンシート」に分けて、Excelブックのレイアウトを作成して欲しい。

 

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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