テレビ放送と電波資源の活用について

2020年11月10日火曜日

閑話 政治

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私はテレビを見ない。

もう15年ぐらい地上波はほとんど見ていない。

最初の5年ぐらいはスカパーを見ていたが、その後Youtubeなどネットのストリーミングサービスしか見なくなった。

過去、10年ほどのストリーミングサービスの発達は通信品質とコンテンツの質の両方において、目覚ましい発達をした。

現在のストリーミングサービスの品質から考えて、テレビ放送はネットのストリーミング技術で放送できるだろう。

そういう意味ではテレビ放送という電波インフラは既に必要ない状況にある。

 

モバイルブロードバンドの電波利用効率は非常に高い

テレビ放送に使用している電波の周波数帯域は 470MHz から 710MHz の帯域で、この周波数帯域の電波は霧や障害物に強く、非常に「繋がりやすい」性質の電波であり、モバイルブロードバンドには最適の周波数帯域である。

モバイルブロードバンドは多元接続方式により、複数のユーザーが同一の周波数帯域の電波を共有するので、電波資源を無駄なく使用できる。

また、基地局の通信可能範囲である「セル」ごとに同じ周波数の電波が使用できるので、セルが異なれば別々のユーザーが同じ周波数の電波を使用できるので、電波資源の有効な活用レベルはテレビ放送とは比較にならない。

テレビでは日本全国の視聴者でチャンネルごとに同じ周波数の電波を使用するだめ、その電波で送信できる情報量はチャンネルで遅れる限られた量にならざる得ない。

 

テレビ放送のメリット

テレビ放送のメリットは送信する側の装置の負荷が少ない点にある。

放送設備を全て揃えるのは大変な資本が必要だが、一度放送設備を一式揃えてしまうと、視聴者がいくら増加しても放送設備を増設する必要が無い。

テレビ受像機がいくら増えても放送局が送信する電波の量は同じだからだ。

(放送地域が広がる場合は除く)

 

モバイルブロードバンドの欠点

これに対して、モバイルブロードバンドと光ファイバーによる、インターネットによる動画配信の場合は、ユーザー(スマホやPCの端末)の数だけ、サーバー側の通信スレッドとセッションが必要になる。

スレッドとはサーバー(PC)側の通信プログラムの独立した処理単位の事であり、セッションとは一つの通信回線の単位の事である。

ユーザーの数だけスレッドとセッションが起動する。

一つのサーバーで起動できるスレッドとセッションの数は限られている。

サーバーの規模にもよるが、数万セッションといったところが限界と思って欲しい。

ユーザーが数百万人同時にアクセスするならば、数百台のサーバーが必要になる。

現代では、クラウドでユーザー数に合わせてサーバー数を変更する。

自社でデータセンターを運用している会社なら、初めから最大アクセス数を想定してサーバーを用意しておく。

もちろん資本の許す範囲内においてだが。

 

これがストリーミングサービスの弱点ということになる。

 

モバイルブロードバンドの欠点の克服

しかし、近年はCPUの性能も向上を続けており、メモリやストレージの単位容量あたりのコストも下がり続けている。

通信速度も向上して、サーバーに掛かるコストが非常に下がっている。

今後、サーバーのコストが下がる事はあっても、上がる事はない。

5Gのように通信速度も急速に高速になっていく。

 

この弱点も新技術で克服されようとしている。

LTE-Broadcast という LTE の拡張仕様が存在し、ソフトバンクが実証実験を行っている。

LTE-Broadcast は一つの基地局に繋がる全ての端末に、テレビ放送のように同一の電波でコンテンツを放送できる通信規格である。

2016年9月17日から19日まで開催される福岡ソフトバンクホークス 対 オリックス・バファローズ戦において、試合の映像データをLTE-Broadcastで配信し、品質や顧客満足度など検証したそうだ。

実際のサービスはまだのようだが、サーバーの負荷を大幅に引き下げる画期的な技術とサービスである。

 

電波の割り当ての変更

政府も状況の変化へ適応するため、一度電波の割り当て方法を変更している。

2011年の「地上波デジタル放送」への移行がそれである。

このときそれまでアナログテレビ放送の為に 90MHz から770MHz までの電波を割り当てていたものを、470MHz から 710MHz の範囲まで圧縮した。

テレビ放送から外された周波数帯域はモバイルブロードバンドなどに割り当てられた。

 

テレビ電波の利用効率の向上

テレビ放送については、衛星放送も導入され、新技術の導入により電波の利用効率が向上し、これからも向上していく。

SFN(Single Frequency Network)の導入により、となり合った中継局で同じ周波数の電波が使用できるようになったり、変調方式に16QAM,64QAMを採用して通信速度を向上させたり、データの圧縮方式にMPEG4(H.264)やHEVC(H.265)を導入して、同じ電波の帯域幅で二倍・四倍の情報を放送できるようになる。

特に「衛星放送」の発達が大きくなるようだ。

衛星放送では「円編波」というらせん状に回転する電波を使用して放送しているのだが、これまでは右旋円編波しか使用していなかった。

今後は左旋円編波も使用して、使用できる電波を一気に二倍にするそうだ。

よって、様々な最新技術の導入により、同じ電波を使用して、何倍も多くの情報量を放送できるようになる。

特に衛星放送は物理的に電波が二倍になるので、拡大幅が非常に大きい。

 

4Kで拡大するコンテンツの量

テレビもインターネットによる動画配信も、どちらも将来的には 4K に対応する事になる。

純粋な情報量ではフルHDに比べて、4Kは四倍の情報量になるはずだが、圧縮技術の恩恵で送信するデータ量は二倍程度で済むようだ。

少なくともテレビもインターネットによる動画配信も、最新の圧縮技術の導入で、二倍程度の通信料で4Kに対応できるようだし、テレビやモバイルブロードバンドはQAMなど最新通信技術の導入で高速化する。

モバイルブロードバンドは LTE-Broadcast や 5G でもっと早くなる。

4K によるコンテンツのデータ量拡大には十分対応できるはずである。

 

減少するテレビコンテンツ

インターネットによる動画配信は、Netflix や Amazonプライム を中心に量も予算も急拡大しているようだが、テレビコンテンツの量は、増えている用には感じられない。

新聞のテレビ欄見ると、ゴールデンタイムはバラエティ番組ばかり放送しているようで、あまり金を掛けた有意義なコンテンツは作成できていないようだ。

昼間はワイドショーで高齢者の不安を煽るような有害とも言えるような報道をしているようだ。

SNSで流れてくるテレビの評価は「批判」ばかりである。

 

テレビの広告費も減少に転じていて将来予算が増加するとは思えない。

既にインターネットの広告費の合計が、テレビ広告費の合計を上回っているそうだ。

 

電波資源は技術の進歩で、テレビにおいても、モバイルブロードバンドにおいても増加する。

 

インターネットのコンテンツは今後も激しく増加するだろうが、テレビのコンテンツが今後増加するとは思えない。

むしろ予算の減少にともなって減っていくのではないだろうか。

 

電波資源の再割り当てが必要ではないか

インターネットの活用は動画配信だけではない。

むしろ動画配信など脇役である。

通信へのニーズは拡大する一方であり、昨今の感染症対策でのリモートワークの拡大などにより、通信トラフィックは拡大している。

Gotoキャンペーンなどによる国内移動の推奨でモバイルブロードバンドの需要も拡大している。

そして今後、このニーズが縮小する事は考えにくい。

ワクチンの開発と接種の普及で多少はニーズが縮小するだろうが、経済の回復により逆に通信需要は増加するかも知れない。未知数だ。

 

テレビは衛星放送を中心に電波資源が二倍に増加するが、コンテンツへのニーズが増加する見込みはないと思う。

むしろ予算が減少して作れるコンテンツの量は減るだろう。

 

モバイルブロードバンドに比べてもテレビは電波の利用効率が良くない。

 

現状では、「電波資源の効率的活用」と「放送コスト」を秤に掛ければ、「電波資源の効率的活用」を優先した方が良い状況へと変化してきている。

今がその時がどうかは、別にして何時までも効率の悪い放送システムに貴重な電波資源を使用していて良いわけではない。

 

衛星放送は他に使いようがないので、今のままで良いと思う。

 

しかし、地上波放送の電波はこれまでの半分以下で良いのではないだろうか。

 

ドラマやアニメやドキュメンタリーや録画撮影されたバラエティ番組など、リアルタイムで見る必要はない。

リアルタイムで見る必要があるのはニュースとスポーツだけである。

地上波放送で放送しなければならないものは、このニュースとスポーツだけなのではないかと思う。

だったら、他のコンテンツはインターネットで動画配信して、ニュースとスポーツだけ地上波放送で放送すれば、必要な電波の量は少なくなる。

 

テレビ局は使用している電波帯域の広さの割に電波使用料が割安で、独占している電波の価値の分だけ費用を支払っていないとも言われる。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000242685.pdf

電波利用料の歳入の内、放送事業者からの歳入は 7.0% ほど、携帯電話事業者からの歳入は 74.2% になる。

一方、歳出の方は「地上デジタル放送総合対策」に47.6% も使用している。

携帯電話等エリア整備事業には 3.7% 程度しか使用していない。

 

歳入と歳出のバランスでも不公平に見えるし、最も繋がりやすい電波帯域を使用しているわりには、テレビ放送事業者が支払っている電波使用料は少なすぎる。

 

電波利用料の見直しや、電波オークションなどが国会で議論されているようだが、テレビ放送用の電波は二倍程度値上げして、地上波放送用の電波を半分に減らし、5Gなどモバイルブロードバンドに割り当てた方が良いと思う。

 

感染症被害により、インターネットやモバイルブロードバンドへの需要は急拡大し、テレビ放送については逆にトイレットペーパーやPCR検査についての風評被害を拡散するなど、信頼性に乏しく有害な報道が目につく。

 

もう少し、電波利用料を通じて社会的資源に公正な負担を背負って貰うべきだろう。

 

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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