コミュニケーションは最大のボトルネックである

2020年10月13日火曜日

システム開発 閑話 道徳常識

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コミュニケーションは重要ではあるが、同時に仕事を進める上で最も進捗を停滞させるボトルネックでもある。

仕事に参画する人の「保有する情報の差」「知識の差」「思考能力の差」「事実誤認の差」「偏見の有無」「権限の差」「責任の差」などの対話のギャップが障害になり、通常は円滑な対話を行うのが難しい。

そして「伝えるべき事」が「短時間で伝わらない」「正しく伝わらず誤解され、何度もやり直す」ことによって仕事の進捗を遅らせていく。

対話と演説の区別が付かない人

人によっては「双方向の対話」と「一方的な演説」の区別が付かない人も多い。

「情報を伝達する」という行為を「ボールを投げる」ように物体を相手に移動させる行為だと誤解している人は多い。


しかし現実には、「自分の精神全てを形成している全ての情報」の「一部の情報」を切り出し、それを「相手の精神の中に組み込む」のが、情報伝達である。


同じ日本国民なら国民として共有している情報は多い、これをコンテキストと言う。

 情報伝達の際、互い共有しているコンテキストの部分は無視しても良いが、コンテキストの異なる部分に付いては、情報伝達の際に異なるコンテキストを含めて伝達する必要がある。

 つまり「伝えたい情報だけ」伝達していては不十分なのだ。


対話をするには「相手が何を知っていて、何を知らないか」を知る必要がある。

 話の内容に関する、モノの考え方についても知る必要がある。 

そうしなければ、相手の概念の中に伝えたい情報を組み込む事はできない。


情技師(ITエンジニア)とITを知らない業務担当者が対話をする場合、専門知識のコンテキストでは、情技師は業務のコンテキストが原則として無く、業務担当者はITのコンテキストが無い。


この場合はどちらの方向から情報伝達しても、相手の保有していないコンテキストを合わせて伝達する必要がある。


一方的な演説をするタイプの人は、このコンテキストの違いを認識していないので、情報伝達の失敗を繰り返す。 自分では伝達しているつもりで、全ての情報が伝わっていない。


重要だから増やせば良いというわけではない

コミュニケーションは重要だが、重要だからと言ってコミュニケーションの機会を増やしたところで効率が下がるだけだ。


コミュニケーションが重要であるならば、一つ一つの対話を大切にすべきであって、悪戯に回数を増やすのは、個々の対話の品質を悪くするだけで、むしろコミュニケーションを粗雑に扱う行為である。


大事なことは情報伝達が正確に確実に一回で行われる事であり、悪戯に回数を増やす事ではない。


また、コミュニケーションしている間は生産活動が出来ないという事実を認識していない人も多い。 悪戯にコミュニケーションを増やす行為は、それだけ生産活動の時間を減らす行為でもある。


仕事のモジュール分割

人間の情報処理は個々人の脳の中で行われる。 共同作業で一つの仕事を遂行する場合、その仕事の情報をすべて、仕事に参画している人員全てで共有しなければならない。

役割分担というのは仕事をモジュール分割して、大きく複雑な仕事を、小さな仕事の集合に変えて、大きな仕事に参画している人員全てが、大きな仕事の情報全てを共有しなくても良いように、創意工夫した仕事のやり方である。

大きな仕事をモジュール分割する事なく、参画者全員が仕事の全情報を共有して仕事を進めるなど、不可能だ。

モジュール分割した個々のモジュールの中では、仕事に参画した人員全てが、仕事の全情報を共有する必要がある。

全ての仕事を個人単位にモジュール分割するのは理想であり不可能ではないが、仕事の内容によっては、中々出来ないモノである。

また、モジュールとモジュールの間で最低限共有しなければならない情報もある。

モジュール分割は必要なコミニュケーションの総量を減らす方法として有効だが「一つの仕事の情報は参画者全てで共有しなければならない」という現実の法則は変わらない。


必要な総量を減らし、一つ一つを堅実にやる

コミュニケーションは重要だが、過剰にその量を増やしても、コミニュケーションの精度が落ち、生産性が落ちるだけである。

必要な事は、仕事を回す為に必須のコミュニケーション量を減らし、残された必須のコミュニケーションを確実に情報が伝達するように堅実に行う事である。

そしてこれは個々人の努力で達成するのではなく、組織や仕事のチームを作るリーダー格が、その事を意識して体制を作らなければ達成出来ない。

リーダーがやるべきコミュニケーションの体制作りは、ざっくりと言えば以下のようになると思う。


仕事の役割分担を明確にして、仕事のモジュール分割により、必須のコミュニケーションの総量を減らす。

この時、裁量権と責任と権限と必要情報と予算の整合性がとれるように注意する。


必須のコミュニケーションのコンテキストの共有を、仕事を始める前にしっかりと行っておく。

可能なら文書化しておく。


仕事の参画者全てに「一方的演説は対話ではない」と指導しておく。

世間には一方的に言いたいことを言って返事も聞かず、急降下爆撃機のように去っていく人がいるが、こんなやり方で情報が伝達できるわけがない。


一つ一つの対話はしっかりと時間を取って、可能なら文書や資料を予め用意して、堅実に行う。

多人数の会議では「対話」は出来ない。


対話が失敗しているのなら原則「話し手の責任」としてコミュニケーションの秩序を監督する。

現在の多くの組織は「聞き手の責任」になっているが、これは話し手がいくら間違いを犯しても改善するモチベーションが起きないので、「説明のモラルハザード」が起きやすい。

「話し手の責任」にすれば説明を担当する者は懸命に説明するようになるだろう。

 

 

 

と言ったところです。

普段から気になっていた点を記事に纏めました。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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