非効率石炭火力の廃止と経産省の思惑についての推測

2020年9月8日火曜日

政治

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最初にお断りしておくが、これは陰謀論の類いではなく、経産省の進めるエネルギー政策についての、真っ当な推測である。


個人的推測だが、根拠は明示する。



先日、日経新聞で環境問題に対応する国際会議に関する報道が掲載された。


コロナ後の経済復興、温暖化対策と両立を 閣僚級会合


「新型コロナウイルス禍からの経済復興と気候変動対策の両立について話し合う閣僚級の国際会議が3日夜、オンラインで開かれ、各国の取り組みを共有して温暖化対策を進めることの重要性で一致した。」



この話は、7月3日の梶山経済産業大臣の閣議後記者会見で発表された経産省のエネルギー政策の将来方針を国際会議の場で報告した物だ。


梶山経済産業大臣の閣議後記者会見の概要



2030年度は、火力56%,原子力21%,再生エネ23%を目指す


経産省は発電資源の依存率のバランスを大きく変更しようとしている。


「非効率石炭のフェードアウト及び再エネの主力電源化に向けた送電線利用ルールの見直しの検討について」


「非効率石炭火力のフェードアウトを巡る状況について」



2010年度の時点で、エネルギーバランスは、

火力65%,原子力25%,再生エネ9%、


2018年度の時点で、

火力77%,原子力6%,再生エネ17%だった。


これを、

2030年度の時点で、

火力56%,原子力21%,再生エネ23%を目指すと言う。


火力への依存率を減少する。


火力の中身はLNG27%,石油3%,石炭26%で、LNG;石油:石炭の比率はあまり変わらない。

多少石油が減るぐらいだ。



つまり石炭火力から脱却する予定ではない。



非効率石炭火力だけ廃止する


経産省の計画では非効率石炭火力だけ廃止するのであり、石炭火力を全て廃止するわけではない。


ではなぜ、石炭火力発電の海外輸出への支援を打ち切ったり、欧州の非現実的な化石燃料の使用廃止論に同調したかのような動きを見せるのか。


環境大臣に小泉進次郎氏を登用したことも以前から解せなかった。


経産省のエネルギー計画と小泉進次郎氏の環境論は違いすぎる。


しばらくこのことをボンヤリと考えていたのだが、最近自分の中で推測に過ぎないが、一つの結論が出た。


その事を説明する為に高効率石炭火力について知ってもらう必要がある。


高効率石炭火力IGCCとIGFC


第183回 進化する石炭火力発電 〜環境にやさしいIGCC、IGFC〜


通常の石炭火力は石炭を燃焼させて、その熱で水を沸騰させて、蒸気圧で発電タービンを回す。


IGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle)


しかし最新のIGCC(石炭ガス化複合発電)は、石炭粉と空気をガス化炉の中で加熱して燃焼性のガスにして、そのガスでガスタービンエンジンを稼働させ、発電する。

更に、ガスタービンエンジンの廃熱で水を沸騰させて、蒸気圧で発電タービンを回す。


ガスタービン発電自体高効率な発電であるばかりでなく、その廃熱で蒸気タービンで発電するため、エネルギーに無駄が少なく熱効率が非常に高い。


熱効率は50%弱に達する。


ちなみに従来型の蒸気タービン発電は高いもので熱効率40%ほどである。

旧型だともっと低い。


IGCCは既に実用化している。



IGFC(Integrated coal Gasification Fuel cell Combined Cycle)


このIGCCの発展型にIGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)という技術が現在研究開発されている。


石炭粉と空気をガス化炉の中で加熱して燃焼性のガスにしたあと、そのガスが含む水素で燃料電池による発電を行う。


燃料電池は水素を全て消費できないので、残りの水素をガスタービンエンジンに送り発電する。

そしてガスタービンエンジンの廃熱で水を沸騰させて、蒸気圧で発電タービンを回す。


燃料電池、ガスタービン発電、蒸気タービン発電の三段構えの発電手段だ。


熱効率は55%に達する。


熱効率が良いと言うことは、同じ電力を得るのにより少ない石炭で発電できると言うことだ。


IGFCは2023年ごろに実証実験を終える。


建造可能になるのは4年ほど先の事だ。



IGCCは完成していて、IGFCは未完成という事。


世界初、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証事業に着手



将来の石炭火力は全てIGFCにするべき


石炭火力発電ではIGFCがおそらく最高の技術になる。

これ以上の高効率な石炭火力発電手段は登場しないだろう。


工業製品として完成品になる可能性が高い。


それがあと3年ほどで完成する。


将来の日本の石炭火力発電は全てIGFCにするべきだ。


全てIGFCにすれば、石炭の消費量を大幅に削減する事ができる。



今、最新の石炭火力発電所を建設するとIGCCになってしまう


IGCCは従来の蒸気発電より高効率だが、IGFCよりは熱効率で劣る。


今、最新の石炭火力発電所を建設すると、IGCCを建設する事になる。


発電所は一度建設すると何十年も使い続けることになる。


あと3年ほどでIGFCが完成すると言うのに、今IGCCを大量に建設するのは国益の観点から望ましくない。


IGFCの完成を4年ほど待って、4年後からIGFCの発電所を建設していくべきだ。


従って、現在の段階で、石炭火力の新規建設計画は進めるべきではないと思う。


経産省の発表を見る限り、

今、石炭火力発電所の建設にブレーキをかけるのは、正しいと私は思う。



そして経産省や政府の内部でもそのような思惑があるのではないかと推測している。


環境大臣に化石燃料の使用や原子力発電にも否定的な小泉進次郎氏を起用したのも、この辺の都合に合わせた為ではないかと推測している。


進次郎氏の環境論は正しいとは思わないが、現状では都合の良いものだからである。


4年後には環境大臣の人選も変わる。


今は石炭火力の新規建設はすべきではない。


だから今、進次郎氏を起用したのではないか。






これはあくまで私個人の推測に過ぎない。


最後まで付き合ってくれてありがとう。


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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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