GDP一次速報出る、GDP下落実額は20兆円程度。

2020年8月18日火曜日

経済政策

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 昨日、内閣府GDP統計の一時速報が発表された。




新聞などは「GDP実質27.8%減、GDPは485兆円に縮小した」というような煽り気味の報道をしている。


四半期値の年率換算に意味はない

これらの報道の「27.8%減・GDP 485兆円に縮小」という数字は全て「年率換算」の数値である。

内閣府GDP統計は3ヶ月ごとに 1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期 の年四回集計され発表される。
この四半期のGDP統計の事を「季節調整値」と呼ぶ。

今回発表されたGDP統計も4-6月期3ヶ月の「季節調整値」が発表された。
通常のGDPは1年間の値なので「季節調整値」は四分の一の値が発表される。

「年率換算」はこの「季節調整値」の値を四倍にしたものだ。

本当にGDPが27.8%も減少して、GDPが485兆円に縮小したわけではない。


西村康稔経済財政・再生相は17日午前、4~6月期の国内総生産(GDP)速報値の発表をうけ、談話を発表した。
「4、5月は緊急事態宣言の下、経済をいわば人為的に止めていた影響により、厳しい結果となった」

今回のGDPの縮減は西村財政・再生相の説明するように、4月5月は緊急事態宣言により一時的人為的に経済を停止していたのだから、四半期季節調整値を年率換算にする意味は無いのだ。

緊急事態宣言が1年間も続くわけではないのだから。

だいたい、緊急事態宣言は既に解除されている。

だから、4~6月期の季節調整値はそのまま四半期のGDPとして見れば良い。

実質GDP 4~6月期の季節調整値


4-6月期の季節調整値は、前期比 7.8% 減少で、四半期GDPは 118兆円 になる。

ちなみに 2019年の暦年実質GDPは535兆円であり、四分の一にすると約134兆円である。

実質GDPの減少幅

実際のGDP減少幅がどのぐらいか見てみよう。

実質GDPの季節調整値(四半期)

四半期季節調整値
2019/ 1- 3.135兆円
2019/ 4- 6.131兆円
2019/ 7- 9.134兆円
2019/10-12.135兆円
2020/ 1- 3.132兆円
2020/ 4- 6.118兆円

2019年の四半期GDPが好調だったのは 1- 3月期と10-12月期の 135兆円である。

4- 6月期と7- 9月期に米中貿易戦争の影響などによってGDPが縮減しているが、10-12月期に持ち直している。

消費税増税は10月からである。

よく言われるような「消費税増税の影響でGDPが縮減した」という結果はGDP統計からは見て取れない。
他の統計では出ているかも知れないので、この点は消費税増税の影響を全否定するつもりはない。
また、消費税増税が無ければもっと成長したかもしれないので、消費税増税を否定する言説は否定しない。
私も消費税は減税すべきだと思うから。

135兆円から、どれだけGDPが縮減したか単純計算すると、

2020/ 1- 3. は、
135兆円 - 132兆円 =  3兆円

2020/ 4- 6. は、
135兆円 - 118兆円 = 17兆円

1- 3月期と4- 6月期の合計は、
3兆円 + 17兆円 = 20兆円

現時点での実質GDP縮減金額は 20兆円 ​程度という事になる。

補正予算との比較

今回の感染症対策で政府が出資した補正予算は第一号が 25.7兆円、第二号が 31.9兆円 ​で、
合計して 57.6兆円になる。

GDP(需要)縮減分20兆円を、補正予算による出資で補ったとしても、57.6 - 20 = 37.6兆円 の余裕がある。

次の四半期もGDPの回復は不十分かもしれないので、まだ補正予算による需要補完は必要だと思うが、37.6兆円の余裕があれば、年内は大丈夫ではないだろうか ?

少なくともマクロな経済対策は十分であったと言えると思う。


※注意(ミクロでは深刻な問題も出ている)


当日追記>

リフレ派の先生方も年率換算については突っ込みまくっております。



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