設備投資の増加率が停滞し消費者物価指数が上昇している - フィリップス曲線左シフト説の裏付けか?

2019年10月9日水曜日

経済政策 時事

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今日の話はだから私にとっても確証はない。
確証の無い話は読みたくないのなら読まないことをお勧めします。




アベノミクスが始まってから長く金融緩和が続けられているが、消費者物価指数は中々目標の2%に届かない。
それどころか長い間0%強程度を維持しており目標にはほど遠い状況にある。

しかし、本来のインフレ目標政策の目的は雇用を増加することにあるので、雇用者数の伸びを見る限り、金融緩和は成果を十分に上げていると言える。

ここで浮かび上がってくる大きな疑問に
「なぜ雇用者数は増加を続けるのにインフレ率は上昇しないのか」
という謎がある。

通常はインフレ率と雇用者数の反転指標である「無業者を含めた失業率」には逆相関の性質がある。
この関係を表したグラフに「フィリップス曲線」がある。



横軸に失業率、縦軸にインフレ率、の座標を取ると右肩下がりの曲線ができる。

これは失業率が下がると、インフレ率が上昇することを意味する。

通常の経済ではこの法則というか経験則が成り立つ。

しかし、アベノミクスの金融緩和では失業率は減少を続けているが、インフレ率(食料とエネルギーを除く消費者物価指数)は辛うじてプラスになっただけで横ばいを続けていた。

この謎について、経済クラスタの中でも上手く説明している人が長に間いなかった。

しかし今年、安達誠司さんがチャンネルくららで「フィリップス曲線が左シフトしている」という報告をした。

それについては以下の記事にまとめたので詳しく知りたい人はリンク先を読んでください。

左シフトするフィリップス曲線 - インフレ率が上昇しない理由

簡単にその内容を説明すると、

アベノミクス以降、民間企業の設備投資が毎年上昇しており、最新設備に更新されることで企業の生産性が向上し、物価が下落している。
日銀の金融緩和で貨幣価値も下落しており、物価と貨幣価値が同時に下落するので、インフレ率が上昇しない。

というものだ。

左シフト説を裏付けるデータ


最近、内閣府のGDP統計と、インフレ率(食料とエネルギーを除く消費者物価指数)を眺めていると、この安達誠司さんの左シフト説を裏付けるような数字が短期間だが並んでいる。

その数字は民間企業設備投資の増加率と、
消費者物価指数の推移だ。


四半期
GDP増加率
民間企業設備投資の増加率
消費者物価指数
(食料とエネルギーを除く)
前年同月比
の期間平均値
消費者物価指数
(食料とエネルギーを除く)
前月比
の期間平均値
2017/ 10-12.
0.3
0.8
0.3
0.0
2018/ 1- 3.
-0.1
0.6
0.5
0.1
2018/ 4- 6.
0.5
3
0.3
-0.1
2018/ 7- 9.
-0.5
-2.8
0.4
0.1
2018/ 10-12.
0.4
3
0.3
0.0
2019/ 1- 3.
0.5
-0.2
0.4
0.1
2019/ 4- 6.
0.3
0.2
0.5
0.0
2019/ 7- 8.
データなし
データなし
0.6
0.1

内閣府GDP統計の季節調整値(四半期)は値の上下ブレが大きく読みにくいのだが、
2018年から2019年にかけての傾向として、
2018年は設備投資の伸びが大きく拡大を続けていた。
2019年は設備投資が停滞しており拡大していない。
一方、消費者物価指数は2018年にだいたい0.3%まで上昇し、ほぼ一年間停滞していた。
2019年に入り四半期ごとに0.1%ほど上昇している。

つまり、2019年に入り設備投資は横ばいになるが、消費者物価指数は上昇を始めている。

インフレ率が上昇し始めた期間が短すぎて、はっきり断定できないが、二四半期は設備投資増加停滞とインフレ率の上昇が、同期しているようにも見える。

先の「フィリップス曲線左シフト説」が正しければ、インフレ率が上昇しないのは、設備投資による生産性向上で物価が下がるからである。
逆に設備投資が停滞すると生産性向上も停滞するので物価の下落も停滞する。

金融緩和は継続しているので貨幣価値は下がり続ける。

貨幣価値が下がり、物価が下がらなければ、インフレ率が上昇する。

短い期間のデータなので確証はないが、
上記のデータを見る限り、「フィリップス曲線左シフト説」は正しいように思える。

そしてこのデータは2019年からフィリップス曲線左シフトが停止し始めていることを表している。

消費税増税の影響がどのように出るか分からないが、
これからインフレ率の上昇が起きるのかも知れない。

突っ込みどころ


ただ突っ込みどころとして、
消費者物価指数の前年同月比は上昇しているが、前月比は2018年と2019年に変わりはない。

内閣府GDP統計の季節調整値(四半期)は値の上下ブレが大きく精度が低いと言われる。
このデータがアテになるかすら怪しいとも言える。


日銀が独自のGDP作成、消費関連の精度高め景気判断に活用

引用、
「対象となっているサンプルに偏りがある可能性が指摘されており、他の消費指標とも異なった動きをする場合が少なくないほか、月々の振れも大きく、個人消費の実勢を把握しにくいという問題がある」

だから私にとっても確証はない。

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