MicrosoftとOracleのクラウド連携に象徴されるシステムの未来

2019年6月10日月曜日

システム開発 未来の妄想

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先日、MicrosoftとOracleがそれぞれが提供するクラウドコンピュータサービスで、互いのクラウドを高速回線で繋ぎ、MicrosoftのクラウドでOracleデータベースを利用できるようにするサービス連携の合意に至った。

クラウドコンピュータの世界ではAmazonのAWSがシェア一位でその後にMicrosoftのAzureが追尾する。
他にIBM Cloud、Google Cloud Platformが続く。
現状では、Amazon AWSとMicrosoft Azureが2台クラウドとなっており、他のクラウドはあまり目立たない存在になっている。

一方、商用RDB(リレーショナルデータベース)のDBMS(データベース管理システム)であるOracle Database は今でも業務用DBMSとしてはシェア首位の座を握っているが、そのシェアは年々オープンソースのPostgreSQLやMySQLに奪われてきており、Oracleのマーケットは将来的な縮小が予想されていた。

ITシステムにおいてもオンプレミス(社内サーバーでシステムを運用する)は年々少なくなっており、クラウドの利用が広がっている。


Oracleも以前からこの事を認識しており、Oracle Cloud Platform というクラウドサービスを提供して、Oracle Databaseのクラウド上での利用環境を提供していた。

しかし、Oracleの得意なのはデータベースだけであり、様々なサービスを一括提供している先行社のAmazon AWSとMicrosoft Azureと比較して、「メニューが少ない」為魅力に欠けるクラウドにならざる得ず、単体クラウドサービスとしてはAWSやAzureに対抗できるものではなかった。

今回のMicrosoft AzureとOracle Cloud Platformの連携は、メニューの豊富なAzureのサービスの中にもう一つ「Oracle Cloud」というメニューが加わる形で提供されることを意味する。
Oracle Databaseはシェアを縮小していると言っても、まだまだ巨大なマーケットを誇っており、ユーザー企業にとっては魅力的な製品であることに変わりは無い。

企業のクラウド利用はAmazon AWSとMicrosoft Azureの二つに集約されることが予想できる。

この状況のなかで、Microsoftは以前からAWSへの対抗手段の一環として、他社のクラウドサービスとの横の連携を進めてきた。
SAP、Adobe、DropBoxなどとも連携しており、とうとうかつてMicrosoft・Oracle・SAPと3台ソフトウェア企業の2位の座に居たOracleを自陣にとりこむことになった。

クラウド間連携は巨大なマイクロサービスアーキテクチャの初まりか?


Microsoft Azureが進めるクラウド間連携は将来のクラウドコンピュータとソフトウェアやシステムの提供形態の未来像を予想させる。

現在のソフトウェア開発はパッケージか単体のSaaSの形で提供されている。
企業が業務で活用するときは、提供されたSaaSやパッケージの想定する使い方でしか利用できない。

例えばマネーフォワードや弥生などの会計ソフトはその会計データをそのソフトウェアの中でしか利用できない。
この会計データから他社のソフトウェアがユーザー合意の元、別の目的に利用できれば、様々な可能性が広がる。
例えば個人情報を伏せて、所得格差・納税率・貯蓄率・投資比率などの全国的統計情報を集計して、データとして提供することができる。
会計ソフトベンダーは統計ソフトベンダーからサブスクリプションで対価を受け取る。
統計ソフトベンダーは政府やシンクタンクなどから対価を得る、という具合だ。

しかし、現在の「仕様の閉じた」ソフトウェアのあり方ではそのような使い方はできない。
だからユーザー企業は業務の要求とSaaSやパッケージの仕様が合わない場合は、システムをSIerに委託して開発していた。

しかし、今回のMicrosoftとOracleの連携は、少なくともデータベースの選択において、ユーザー企業は複数社の提供するPaaSとSaaSを自由に組み合わせて、利用できる道を作った。
これはMicrosoftとOracleにとっても、ユーザー企業にとっても利益になる有意義な選択である。

私は、今回の連携が、未来のソフトウェアやSaaS、業務システムのあり方を変えるきっかけになると思う。

全てのソフトウェア・SaaS・システムが全てOracle Cloudのように「部品」として提供されれば、ユーザー企業は様々な会社が提供する「ソフトウェア部品」を自由に組み合わせて、安く簡単に必要な業務システムを組み立てることが出来るようになる。

今のように大金払って、SIerに外注しなくても、自社要員だけでITシステムを開発できるようになるかも知れない。

もう一つの良い点が、ITベンダーは自社製品を「部品システム」として販売し易くなる点にある。

今は「受託開発」がITベンダーの商売の主役だが、将来はSaaSで「ソフトウェア部品」を販売するのが主流になるかも知れない。

これなら、利益率が高いのでITエンジニアに高い対価を提供できる。
労働時間なども自社でコントロールできる。
人材を集めやすい。

全てのソフトウェアがSaaSにより連携し、ユーザーが安く短時間で自由にソフトウェアを組み立てることができる。

そんな未来を妄想して、今楽しんでいる。


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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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