リフレ派によるMMTへの評価

2019年5月4日土曜日

経済政策

t f B! P L
リフレ派の先生方によるMMTへの評価をまとめておく。

田中秀臣:上武大学ビジネス情報学部教授


☆この引用は田中秀臣先生に抗議されたら直ちに削除します。

引用(読みやすいように表現は多少変更しています)、


「ワルラスの法則」
経済を三つの市場に分ける。
財・資産・貨幣
財(食料・家・車など)市場
資産(国債・株・有価証券)市場
貨幣市場
経済は財需要と資産需要と貨幣需要の合計。
経済全体ではこの合計の需要超過は起きない。
しかし個々の市場では需給バランスが崩れる場合がある。
そして個々の需要超過と供給超過の合計は同じになる。
分かりやすく財と労働と貨幣で説明する。
統合政府が貨幣を発行調節するとする。
今、財と労働が超過供給だとする。
財は売れず労働者は失業する。
この時貨幣は超過需要になる。
失業と売れ残り(財と労働が超過供給)を解消するにはどうするか。
貨幣の超過需要を解消すれば良い。
つまり金融緩和をする。
これは新古典派的解法。
しかし平成不況では金融緩和で財と労働が超過供給が解消されなかった。
そこでニューケインジアン左派はインフレ期待をインフレ目標まで金融政策で高めていこうと主張した。
高橋洋一氏の主張。
統合政府が金融緩和をすると通貨発行益を得る。
この通貨発行益を財政出動に使い金融と財政でインフレ目標を目指すのが我々(ニューケインジアン左派=リフレ派)の考え方。

MMTというのは、
マネージャブジャブで終わる。
インフレ期待形成についての説明がない。
貨幣供給量を増やせばインフレになるというだけ。
MMTは(社会)モデルを描いていない。
MMTの枠組みだけみると過去に失敗した新古典派と同じ。
モデルを明示してそれが我々(リフレ派)と同じなら、MMTに存在価値はない。
90年代に日銀がやって失敗した受動的金融政策と変わらない。

財政拡大でインフレ期待を拡大することはできる。
しかし財政拡大でインフレが加熱したときインフレを止められるか、過去に止められない例は沢山ある。
ベネゼエラもその一つ。
財政は政治的に絞れない。
だから金融政策でインタゲを目指した方が良い。
現在の日本経済は実質金利がマイナスで財政が効きやすくなっている。
僅かな財政出動で効果を発揮する。
MMT派は過大な財政出動を主張する。
それをやってインフレが加熱したとき財政を止められるかと言えば恐らく政治的に不可能だ。
インタゲは金融政策主導でなければならない。
インタゲを超えたとき金融なら容易に絞ることができる。
先に説明したように現在は財政が効きやすくなっている。
公共事業ならすぐに人手不足になる。
また、消費税増税の悪影響も以前より効きやすくなっている。
今回の消費税増税のダメージは以前より大きい。


参考資料、


松尾匡:立命館大学経済学部教授


引用、


2 5「リフレ」論のまとめに代えて:本質は実質利子率引き下げ策

以上見てきたとおり,「リフレ」論の本質は,日本で一般に思われているように金融緩和に依存する政策論にあるのではなく,実質利子率の低下を企図することにある。したがって例えば,以下に掲げる方策は,実質利子率を低下させる方策として,すべて「リフレ」政策であると言える(松尾,2013,2018)。

・インフレ目標コミットメント付きの金融緩和で,将来物価の上昇予想を人々に抱かせる。
・あらかじめ公約したインフレ率の上限に達するまで,中央銀行の作った資金で政府支出する(例えば,一律の給付金)。公衆は政府が当然この上限までそれをすると合理的に予想するので,上限どおりのインフレ予想が抱かれる。
・当面数年の消費税税率を低くし,将来的にそれを段階的に引き上げるスケジュールを約束する。
・最低賃金の将来的な上昇スケジュールを公定する。
・円相場の減価目標を示す。
・資産課税で実質的にマイナス金利にする。現金は新札に切り替えて交換手数料を取る。

<中略>

例えば以下の論点は,MMTやポジティブ・マネーから,主流派と異なる自分たちの独自論点として主張されがちであるが,実は主流派の一部をなすニューケインジアンにとっても共通している見解である。

・通貨発行権を持つ国家が破綻することはない。
・課税は市中の購買力を抑えてインフレを抑制する手段であり,財政収支の帳尻をつけることに意味はない。
・不完全雇用の間は通貨発行で政府支出をまかなってもインフレは悪化しない。
・民間が貯蓄超過なら財政赤字は自然なことである。

3 2「統合政府」の見方も共通
それから,政府・中央銀行を「統合政府」で見る見方にも違いはない。親会社と子会社を連結決算で扱うよう,中央銀行も政府の子会社なので,政府と統合して扱うというものである。
これもよく自派特有の見方として MMTから主張される37)が,政府と中央銀行を統合して扱うことは,しばしば主流派経済学のモデルで見られる手法である。

3 3 貨幣供給の内生・外生は論点か?
さて一般に,広い意味で主流派経済学に属するニューケインジアンと,MMTや信用創造廃止派との違いとして最も意識されているのは,貨幣供給について外生説に立つか内生説に立つかであろう。ニューケインジアンは,やはり主流派の入門マクロ教科書の IS LM 図式に典型的に見られる外生的貨幣供給説に立っているとして,MMTや信用創造廃止派からしばしば批判される。MMTや信用創造廃止派の方は,内生的貨幣供給説に立つと自称している。簡単に言って,外生説は通貨当局が貨幣量を操作して利子率がそれに従って決まるとみなし,内生説は通貨当局が利子率を操作して貨幣量がそれに従ってきまるとみなすとされている。
それに対して,ニューケインジアンのレンルイスは,MMTの学説全般について,基本的には,標準的マクロ経済学の考え方から出てくることと同じことを言っていると繰り返し評している。さらに,MMTの論者が政府取引の会計的細部にやたらとこだわるとの感想を述べ,そのことにいささか閉口している様子である(Wren Lewis,2016a,2016b)。こだわるのはその点にこそ外生的貨幣供給と内生的貨幣供給の見解の違いが出ると思われているからなのだが,ニューケインジアンの側からすればこだわる意味がわからないところだろう。
実際,主流派経済学のマクロモデルは,しばしば内生的貨幣供給説のような前提を採用する。
典型的には,ニューケインジアンも新しい古典派も含む,動学的一般均衡のモデルでは,非常に頻繁に「テイラールール」と呼ばれる中央銀行行動を表す式が採用されるが,これは,インフレ率と GDPのそれぞれの適正値との乖離に応じて利子率を操作する式である。この場合,貨幣量は内生的に決まる。
私見では,金融政策で動かすものが「量」か「率」かは,理論の抽象度が,どれだけ通貨当局の究極目標に近いか,日々の実務に近いかで選べばいいだけのことである。例えばインフレが亢進したことを受け,金融を引き締めて総需要を抑制する場合を考えてみよう。
通貨当局にとって究極の目標は,設備投資を減らすことである。そのために長期金利を上げて設備投資を減らす。これに着目すれば「率」をコントロールすることになる。そのためには民間の銀行の貸付を抑制することになるが,これに着目すれば預金も含むマネーストックの「量」をコントロールすることになる。そのためには貸付による預金の増加にともなって必要になる公定準備を積みにくくするために,政策金利の目標を引き上げて,銀行同士の資金繰りの利率を上げる。これに着目すれば「率」をコントロールすることになる。そのためには日々のオペレーションで,コール市場で国債などを売る「売りオペ」を行なって貨幣を吸収する。
これに着目すれば「量」をコントロールすることになる。
このどのレベルで理論モデルを組み立てるかによって,どちらを外生的な操作変数とみなすかが決まるだけである。
よく,平時において,金融緩和を伴わない国債市中消化による財政拡大が,金利上昇によるクラウディングアウトを多少とも起こすかどうかについて,その可能性を指摘する主流派を内生説論者が批判するケースが見られる。しかしこれも単に用語の違いですれ違っているように思われる。国債を市中銀行が買うことで政府支出すると,その分預金が増加するので,市中銀行はそれに伴う公定準備を積み増す必要に迫られ,放置すると短期金利が上昇する。中央銀行が目標金利を維持しているならば,彼らは積み増す必要がある公定準備のぶんのマネタリーベースを供給することにより,金利の上昇を抑えることになる。このストーリーについて認識の違
いがあるわけではない。
主流派は,マネタリーベースを出して政策金利を目標どおりの水準に抑えたことを「金融緩和した」と表現するのである。それに対して内生説では,目標金利を引き下げたりせずに維持しているかぎり,「金融緩和していない」と表現するので,このケースは最終的に「金融緩和せず」に財政拡大してもクラウディングアウトが起こっていないことになるのである。

<中略>

ニューケインジアンと MMTらの見解の違いの本質は,実は,貨幣システムについての認識の違いではない。

<中略>

MMTら内生的貨幣供給論者は,不況時には利子率が下がっても設備投資が増加することはないとみなしている。そうなれば,預金の形で貸付が増えないので,マネーストックが増加することはない。

<中略>

デフレの場合,名目利子率が負値をとれない以上,実質利子率も正値しかとれないのでそうなる。それゆえこのようなときに利下げしても投資が増えず,マネーストックを増やせないと言うことは,ニューケインジアンでも多くの主流派経済学の論者でも,違和感のない議論であろう。

ところがここから MMTとの見解の差が生じる。もし普通想定される投資関数がただ下方シフトしていることが原因ならば,実質利子率を十分にマイナスにすることができれば,設備投資を増やすことができるはずである。これがニューケインジアンのリフレ論であり,MMTの論点にはない点なのである。
政策的には,左派ニューケインジアンもまた,中央銀行による財政ファイナンスで財政拡大することを厭わない点では MMTと違いはない。何が違うかというと,単に財政支出そのものが総需要を拡大する効果だけでなく,そのことによって将来の物価が上がると人々に予想させることで,実質利子率を押し下げて設備投資などの現在の支出を増やす効果を重視する点にある。


安達誠司:丸三証券経済調査部長


引用(読みやすいように表現は多少変更しています)、


江崎「MMTが話題になっています。これについて先生はどうお考えですか」

安達「関心がないが、パッと見る限り、
経済学の理論はモデルという簡単な模型を数学を使って作ります。
例えば消費税何%上げると消費が何%下がるとか、国債増額して公共投資を増やせばどれだけGDPが増えるかなど、政策的な数理分析に生かさないといけないわけですよ。
ところがMMTの主張は、それが全くないのが最大の問題で、日本で言っている人の中にたぶん専門家の先生はいないと思う。
何か突っ込まれるとそのたびに話が変わる。
モデルがないからいくらでも変えようがあって、
例えばMMTには金融政策が入っていると言う人もいるが、実際はそういう話は一切なかったりすね。
基本的に社会科学になっていない。」

江崎「MMTの概念規定が曖昧だということですね」

安達「MMT自体は昔から有るみたいですよ、
MMTの提唱者になっている女性教授の方の話には数式が出てこない、
MMTから出てくるのは精々統合政府の話ですね、
国債を発行してFRBが買取、資金を供給しているという仕組みなので、
統合政府で考えましょうということが会計式で出てくるだけなんです。
例えば将来どうなるということや、(インフレ)期待がどうなるという話が一切入ってなくて、そこは場当たり的に対応しているだけなので、要するにテキトーなんですよ。
それを採用されたら、どれぐらい国債発行したらどれぐらい景気良くなるのという議論をしないと予算を立てられないですよね。
だからそういうところでたぶん駄目になる。
前向きに言えばもっと議論を深めて定量的な分析ができるようにする所を待つ、
ということでしょうか。
ただ単に財政に制約はなく、国債発行して政府支出を増やせば景気が良くなるというだけなので、
その程度問題とインフレ率どうなるの?という話で、政府支出を拡大し続ければ景気は良くなるという話の中にインフレ率の話が出てこない。ずっとデフレ経済のことしか考えていないみたいだが、何時までも支出を拡大しないとデフレは解消しないということを延々と言い続けている話になっている。
そこはちゃんと明示的に解決しないといけない。
あまり取り上げる必要はないと思う」

江崎「財政出動をしていく上でこういうやり方もあるよ、という点で注目されているが、政府支出や国債の量と効果や、失業率がどれだけ下がるかといった数字の議論が不十分なので議論を深めて行く必要があるよということですか」

安達「最初は概念的な話が出てきて、それをモデル化して数学的なモデルにしたあとで、
それに実証のデータを入れて検証したあとで、ちゃんと解が出るか確認してから、政策へ投入するべきで、(MMTは)第一段階のところで止まっている感じ、でしょうかね」

江崎「僕も見ていて、この理論に元好けば財政出動可能なんだー、気合いだー、みたいな」

安達「そうそう財政出せ出せって言うところの議論が、出てきたのは良いのですが、あまりにも極端すぎるので、普通の経済学を研究された方は、かなりアレルギー反応が出る、向こうの方もそうですよね。
投資家も含めてダメですよね」

江崎「財務省がムキになって反発しているので、これは良い理論なんじゃないかと思うが、具体的な数字の根拠がはっきりしない」

安達「今は財政出すのは良いと思うが、デフレを解消した後の話をキチンとしておかないと、デフレを解消したあとどうやってそこから出るのかという、出口の議論をしないといけなくて、財政を沢山出すのであれば、その後の財政再建という話も基本的にはコミットしていかないと、こんど誰も想定していないインフレが止まらなくなるという事にも成りかねない。
そこは程度問題ですね」

江崎「ありがとうございます」


高橋洋一:嘉悦大学教授、株式会社政策工房代表取締役会長








MMTの評価を整理すると

MMTの評価を整理すると

(1)MMTのデフレ対策はリフレ政策と変わらない。

(2)MMTには数学的(社会)モデルがなく、政府支出や国債発行量など定量的な話ができず、予算の金額すら計算できない。

(3)インフレ期待やインフレターゲットに関する概念がそもそもない。

(4)MMT理論の中に金融緩和があるのかないのか判然としない。

(5)実質的に、デフレ対策しか考えておらず、インフレになったときどうするか、考えられていない。

(6)財政によるデフレ脱却を重要視するが、インフレになったとき財政を絞るのは困難である。
金融政策メインと財政出動サブでインフレを目指す方が、インフレ時に金融引締めで対処しやすい。
財政出動メインでは高インフレを抑制できない。

となる。

私は、以前からMMT政策とリフレ政策の何が違うのか分からなかった。
リフレ政策と同じだと思っていた。
だから当然、インタゲの概念がMMTにもあると思っていた。
しかしリフレ派の専門家の先生の話を良く聞くと、MMTにはインフレになったときの対策が存在しないという、とんでもない事が分かった。

以前からMMTには警戒心を持っていたが、今日初めてMMTの問題が理解できた。

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