レベニューシェア開発とは受託者による発注者の事業への投資である

2019年5月11日土曜日

システム開発

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受託開発契約の形態にレベニューシェア・プロフィットシェアというものがある。

通常の受託開発は請負契約で行い、開発に必要な費用を全額発注者が支払う。
この契約の問題は、発注者と受託者がビジネスにおいて同じ方向を向いていないという問題がある。
発注者がECショップで商品を販売している場合、発注者のビジネス目標は「商品売上の最大化」であるのに対し、受託者のビジネス目標は「開発費用の最大化」にある。
つまり発注者にとってはできる限り「商品売上に有効な機能だけを最小限度開発する」のが利益だが、受託者にとっては「できる限り沢山の機能を作って開発費用を底上げする」のが利益になる。

この「発注者と受託者の目的の格差」が以前からシステム受託開発の問題として取り上げられてきた。

この問題を解消する方法として出てきたのがレベニューシェア・プロフィットシェアという契約形態である。

レベニューシェアではECショップなどを開発するとき、開発費用を原則請求しない。
その替わり総売上の何割かを受託者に支払う。
基本的に受託者が売上を補足できる場合に採用される。

やり方は色々あり、受託者の財政体力が開発の負担を背負えない場合は、最小減開発費用を発注者が負担する場合もある。

500万円のシステム開発なら、200万円だけ発注者が負担して、後は売上の1割を受託者に支払う。
ということもできる。

revenue は、歳入や総売上を意味し、profit は利益を意味する。
share は分け前、配分といった意味だ。

レベニューシェアは総売上の何割かを受託者に支払う契約で、プロフィットシェアは利益の何割かを支払う契約だ。

通常はレベニューシェアを採用する。
売上は誤魔化せないが、利益は人件費や経費などを上積みすれば容易に操作できてしまうため、本来支払うべき対価を発注者の都合で削減できてしまうからだ。

発注者にとって、レベニューシェアは初期費用の負担を軽くしてシステムなどを開発することができる反面、売上が伸びたときは通常の受託開発より多くの費用を支払うことになる。

受託者にとっては、発注者の事業が成功して売上が伸びると利益になるが、失敗すると赤字になってしまう。

だから受託者は発注者の事業が成功する為に最善を尽くす。

発注者と受託者が同じゴールを目指すのだ。

レベニューシェアは受託者による投資である

500万円のシステム開発を初期費用200万円で受託した場合、差額の300万円は受託者が発注者の事業に投資していることになる。

当然、投資をするのだから、レベニューシェア開発を受託する側は、発注者の事業は投資に値するか判断する必要がある。
これは投資家に事業への投資を依頼するのと同じである。

投資家に投資を依頼するなら、事業計画書や財務諸表、さらに経営者の能力資質まで確認してから、投資をするかどうか決めるだろう。

レベニューシェア開発を受託する側も同様である。

一部の悪質な発注者のなかには、単に初期費用を抑えるだけの為にレベニューシェア開発を依頼する者もいる。
こういう人は、事業計画を開示しなかったり、会社の財務状況も隠してしまう。
想定する顧客数すら隠してしまう人もいる。
こういう人に投資する人はいない。

こういうときは通常の開発費全額発注者が負担する契約で依頼すべきだ。

初期費用を抑えたければ、アジャイル開発で必要最小限のシステムを開発して事業を始めてしまい、少しずつ機能拡張していけば良い。

月額定額制の「納品のない受託開発」というのもある。
これもアジャイル開発である。


また、当たり前だがレベニューシェアでは受託者に事業の売上(歳入)を報告する義務がある。
売上(歳入)を報告できないのならレベニューシェア契約は成立しない。

版権は受託者のものになる

初期費用を抑えることが必要ならば当然版権は買い取るべきではない。
版権を買わないのであればシステムなどの製品は受託者のものになる。

システムなどは受託者が運営するものを発注者が使用する形になる。
だからクラウドコンピュータと相性が良い契約だ。

例外的ケース

例外として、フリーエンジニアなどを複数集めて共同作業でシステムを開発する場合がある。
この形態で個々のフリーエンジニアとレベニューシェア契約を結ぶやり方もある。

この場合、ソフトウェアの版権は発注者が買い取らなければならない。
初期費用を安くできるのか疑問だ。

また、これはフリーエンジニアの働き方の問題なので、この記事で取り上げるには範囲が広すぎる。
やり方を間違えると偽装請負や著作権侵害になってしまう。

別の記事で扱いたいと思う。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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