MMTが話題になっとるのでちょっと自己流解説する

2019年4月6日土曜日

経済政策

t f B! P L


MMTが国会質疑で話題に上る



引用、


自民党の西田昌司氏の質問に答えた。西田氏は財政赤字を問題視しないMMT(現代金融理論)を引きながら、「自国通貨でお金をどんどん出していけば日本政府は絶対破綻することはない」と、財政支出の拡大を求めた。

 これに対して首相は「政府として無駄な支出は戒めていかなければならない。我々がMMTの論理を実行しているということではない」と述べる一方、「確かに、2012年に私が総裁選挙に出たとき、アベノミクスの原型、大胆な金融緩和について主張したときに、それをやったら国債は暴落し、円も暴落すると言われた。実際は、国債の金利は下がり、円が暴落したわけではない」とも答えた。

 首相は先月19日、西田氏も交えて消費増税反対論者の藤井聡・元内閣官房参与と2時間超にわたり会食。MMTについても意見を交わした。




 政府は財政赤字を気にせず、もっとお札を刷って好きなだけお金を使えばいい――そんな「異端」の財政政策がアメリカで大まじめに議論されている。

財政健全化を「善」とするこれまでの議論が揺らいでいる。来年の米大統領選を控え、異端の経済理論も政策論争の表舞台に上がる可能性が出てきた。


MMTって何だ


MMTの解説記事を以下に紹介する。


引用、


MMTには三つのコアの主張がある。初めのふたつは以下のとおりである。
1)自国通貨を持つ国家の政府は、純粋な財政的予算制約に直面することはない。
2)すべての経済および政府は、生産と消費に関する実物的および環境上の限界がある。
3)政府の赤字はその他全員の黒字である。

2番目の主張は、政府はその気にさえなれば、消費しすぎたり課税しなさすぎたりして、インフレを起こすことが出来るという明白な事実を確認しているにすぎない。

政府は支出のために国民に税を課す必要もない。税金はインフレを制限するためにある。

これは政府支出と税収がお互いに同額でなければならないという意味ではない。オーストラリアのような国ではそんなことは実際にはほとんど起こらない。

すべての貸し手には、必ず借り手が存在する。つまり金融制度の中では黒字と赤字は足せばいつもゼロになるということだ。


日本政府はオーストラリアと同様に円という自国通貨を持つのでMMTの対象となる。
財政破綻したギリシャの通貨はユーロであり自国通貨ではない。
自国通貨であれば金融政策で財政危機を乗り切れるのだがギリシャには金融政策の自由と主権がないため破綻した。

MMTの主張は、
インフレ率が高騰(4%を超える水準)するまでは通貨を発行することが出来る。
政府債務(国債)により通貨発行益を中央銀行から回収することができる。
全ての経済主体(政府・企業・家計・海外)の負債と資産の合計はゼロになる。
よって政府は他の経済主体が債務を持たない場合は、債務を引き受けるべきである。
政府支出と税収は必ずしも一致する必要はない。
デフレの時は国債発行で回収した通貨発行益を予算に使用できる。

これらの主張は従来からのリフレ派の主張と大差はないと思う。

政府と企業の負債は家計の資産

MMTの主張は大筋は正しいと思う。

デフレは通貨の側面から見れば「通貨不足」で市場取引に使用する通貨が中央銀行と市中銀行から十分に供給されていないことにより通貨の価値が上がり、人々が預金を増やし、消費(需要)が減ることで経済が縮小する現象だ。

需要と供給の側面から見れば、総供給に対して総需要(有効需要)が少なく、物やサービスが余り、売れ難くなった状態である。

デフレ期には通貨不足から通貨価値が高騰して困っているのだから、通貨発行量を増やして、通貨価値を下げる必要がある。
通貨を発行すれば中央銀行が通貨発行益を得るので、これを国債発行で政府が回収して予算に使うことができる。

国家全体の負債と資産のそれぞれの合計は同じになるので、企業と家計と海外が黒字会計(資産超過)ならば、政府は赤字会計(負債超過)でなければ理屈に合わない。

以下の表は2018年末の日本全体のそれぞれの経済主体ごとの資産と負債の合計額である。



金融機関・非金融法人企業・一般政府・家計は解説しなくても分かると思う。
対家計民間非営利団体とは労働組合や宗教法人・一部の学校などのことである。
海外は日本から見ると資産と負債が逆になる。
海外の赤字は日本の黒字である。
この表は日本の対外純資産が341兆円強存在することを示している。
また、この表は日本銀行の存在を無視している。
日銀は政府の所有物であり、日銀は政府債務の450兆円ほどを所有している。
政府の純債務が739兆円でこの内日銀が450兆円保有するから、残り289兆円が政府の本当の債務である。

資産合計が8359兆円、負債合計が8355兆円で、ほぼ同じであることからMMTの「すべての貸し手には、必ず借り手が存在する。つまり金融制度の中では黒字と赤字は足せばいつもゼロになるということだ」という説明が正しいことは分かると思う。
差額の3.4兆円は集計の誤差に過ぎない。

この資料は日銀の以下のサイトからダウンロードできる。


またこのあたりの説明は過去に以下の記事で解説した。



MMTを推奨する国内ケインズ派

「首相は先月19日、西田氏も交えて消費増税反対論者の藤井聡・元内閣官房参与と2時間超にわたり会食。MMTについても意見を交わした。」
という新聞記事を見ても分かるようにMMTを推奨しているのは主に藤井聡氏らケインズ派の人々であり、リフレ派は余り話題にしない。

ケインズ派の論者の一人である中野剛志氏は以下のようにMMTを推奨している。


中野剛志氏は「TPP亡国論」を書いた人なので私はあまりこの方の経済評論を信じてはいない。
中野剛志氏の記事にもあるようにケインズ派は量的緩和に否定的で国債発行を重視する。
この点がリフレ派と大きく違う部分だ。
また、MMT論者は「主流派経済学」というのを批判の対象にしている。

MMTを否定はしないが冷ややかなリフレ派

リフレ派はMMTを否定しないまでも冷ややかな視線を向けている。
高橋洋一氏の以下の記事に纏められている。


引用、

「少なくとも、日本のように、インフレ率がインフレ目標まで達していないならば、財政赤字の心配は不要という主張は多くの人に受け入れられるのではないか。これはMMTからでなくとも導かれる標準的な内容だ。MMTの主張は極論すぎると思う。」


正直なところMMTの主張はこれまでリフレ派の主張してきた意見と大筋は同じではないかと思う。
今更「政府債務が拡大しても問題はない」と主張しても「そんなこと前からリフレ派が言ってたわい」と言ったところではないかと思う。
だからリフレ派の先生方は正面からMMTを批判することはなく「冷ややかな目線」で眺めるのではないか。

私の印象ではMMTは「極論」というより「非常に大雑把」な感じがする。

MMTとリフレ政策は大体同じだと思う

私にはMMT論者は特に目新しいことを言っているようには見えない。
これまで高橋洋一氏や田中秀臣氏や上念司氏らリフレ派が説明してきた事とどこが違うのか私にはわからん。
車輪の再発明にしか見えない。

藤井聡氏や中野剛志氏らケインズ派(土建派)が何故MMTを持ち上げるのかもよく分からない。
中野剛志氏の記事を読んでもケインズ派は何故か量的緩和に消極的ではあるが、MMT自体は金融緩和を否定していない。

MMTは積極財政派の客寄せパンダ

個人的にはMMTというのは日本国内においては、リフレ派やケインズ派がこれまで主張してきた意見と大して違うものでは無いと思う。

リフレ派が通貨現象で説明していることを、国家のバランスシートで説明しているだけではないだろうか。

そしてその説明はこれまでケインズ派が説明してきたやり方に似ている為、ケインズ派はMMTを推奨するのではないか。

私はMMTはタダ単にアメリカで話題に上っていて目立つので日本に輸入して「客寄せパンダ」として利用されているだけではないかと思っている。

リフレ派が冷ややかなのは「その主張と同じものは既に日本にある」からではないだろうか。





ちなみにモノホンのケインズは結構、金融政策を重要視している。

マンガで読めるケインズ政策をどうぞ!




<2019年7月13日追記>
今、私はMMT派に対する不信感の塊になっている。
日本のMMT派はそもそも米国のMMTとは全然別のモノで、はっきり言って「偽物」である。
日本のMMT派はMMTでもなくリフレ派とも違う。
私は日本のMMTは社会主義の亜種だと思う。
詳しくは以下の記事を読んで欲しい。政論も積極財政論もどちらも迷惑な存在だ
https://www.wake-mob.jp/2019/06/blog-post_23.html

このブログを検索

Translate

人気の投稿

自己紹介

自分の写真
オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

QooQ