発注元も成長しなければならないし受託者は教育しなければならない

2019年3月24日日曜日

システム開発

t f B! P L

最近起こったNGTの事件を見ていて、日本中のマネジメント層が機能不全を起こしているのではないかと思ってしまった。
SIer業界は多重請負などで元請けが3次請け4次請けなどを補足できないことからマネジメントが行き届かない状態になっているし、土建業界の多重請負も良くない話を良く聞く。
介護の業界も酷い状態のようだ。
SNSなどで現場の不平不満と自分の経験を照合してみると、顧客と受託者の関係の作り方に問題があるように思える。

現在は人手不足なのだから仕事が増えすぎて業務が回らないのならば
「値上げをして顧客を適切に減らす」
「価値の低い顧客の依頼を断る」
という対策を取るのが正攻法だと思う。

しかし日本のマネジメントでは「長時間労働で現場が頑張る」という対処をしているケースがあまりにも多いように見える。

客が取れないのではなく客が多くて困っているのだから仕事を減らせば良いのに何故正攻法で対処しないのか全く不明だ。

私の経験でも何故か「顧客の依頼を断ってはいけない」という思い込みがあるように思える。

「売り手」と「買い手」は原則対等なのだから「依頼を断る」という選択肢は有って当然だと思うがデフレマインドなのか宗教的に「顧客の依頼を断ってはいけない」と信じ込んでいる。

これは顧客にとっても不利益だと思う。
依頼の内容が不適切であったり支払い価格が不足しているのならば、顧客も考えを改める意志があるかもしれないし、それは顧客にとって大した負担では無いかもしれない。
もし「顧客にとって大した負担では無い」のならば、「依頼を断る」ことで「正しい依頼内容に修正する」かもしれないし、その方が全体の業務も円滑に回る。

「顧客の依頼を断ってはいけない」という宗教的妄信はトータルでは顧客の利益にはなっていないと思う。

受託仕事は発注側にもスキルと経験が必要

システム開発の外注でも、イラストの作成依頼でも、ライティングでも受託仕事を発注するには発注者側にも発注スキルが必要だ。
その発注スキルは発注経験と受託者からの教育によってしか身につかない。
しかし、「顧客の依頼を断ってはいけない」という妄信があると発注者は永遠に発注スキルを身につけることができない。
成長の機会を失っているのだ。

初めてシステム開発を発注するときは「要件定義書」の書き方も分からないだろう。
「要求定義」「システム要件定義」「機能要件」「非機能要件」といった事はシステム屋かITコンサルしか知らない。
「要件定義書で見積もりを出し価格を決定する」という商売の仕組みすら分かっていない人もいる。
(だから仕様変更は嫌われる)
経験豊富な発注者なら知っているが、それも過去に受注者から学んだものだ。

だから発注者がそれらを知らないのなら受注者はそれらを教えなければならない。
発注者が仕様変更や依頼などで間違いを犯せば、間違いを指摘して正しいやり方を説明しなければならない。

現在の全ての受発注はこの部分が上手く行っていないように思える。

改善するには「説明」すれば良いだけだ。
発注者は「聞け」ば良いだけだ。

たったそれだけのことをやらないので受発注仕事が不幸になる。

仕事の任せ方も下手な人が多い

発注者にはマネジメント能力も必要だ。
しかし「仕事の任せ方」を知らない人も多い。




請負仕事は「任せる」形で仕事を依頼しなければならない。
民法の請負契約と準委任契約では指揮命令権は受注者側に有るため、発注者が指揮命令するのは「偽装請負」という違法行為になる。

受注仕事というものはマネジメントを自社で行うことで生産性を上げることが出来る点がメリットで有り、それが失われると、返って価格が高くなってしまう。
これは発注者の損失である。

だから発注者は仕事を依頼するときは「どんな課題を解決したいのか」を伝えるべきで、「どのような手段で解決するか」の判断は受託者に任せなければならない。
通常は発注者は依頼内容に関しては「素人」であり問題解決の手段の選択は「玄人の受託者」に任せるべきだ。
「素人」が手段を選択すれば間違えるのが当たり前である。
この当たり前のことが分からない人が多い。

発注スキルを見に付けた人が人事異動で消えて、永遠に素人が発注担当者

企業や官公庁の担当者の問題で非常に良くあるのが、
受託者の教育で発注スキルを見に付けた担当者がローテーション人事で、素人の担当者に替わってしまい、永遠に発注スキルが身につかないというものだ。

これは経営など上層部に「発注スキル」というものに価値がないと考えているから起きるのではないか。
結局は組織のマネジメントの不備である。

発注者やマネージャーの失敗の責任も追及しない

日本では年功序列や「お客様は神様です」という意識もあってかマネージャーや発注者(顧客)の失敗を指摘したり責任を取らせたりしない傾向に有る。
最近はNGTの一件のようにマネージャーが自身の不手際を嘘で誤魔化したりすることが多くなったように思う。
一度、発注者と受注者、マネージャーとメンバーの立場を対等にして、失敗した者に責任を取らせ、不適格者は解任する当たり前の社会や組織の体制を再構築する必要があると思う。

小さく身近なところから始めるのが正攻法だと思うので、まず発注者は受注者の説明をもっと聞くべきだし、受注者はもっと間違いの指摘をし説明すべきだろう。

それから発注者教育は内容が高度になれば有料である。
無料のサービスは存在しない。
あるとすればそれは「広告」である。


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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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