他責は悪い自責が正しいと言うが本当に正しいのは自己裁量だ

2019年2月5日火曜日

道徳常識 負言反抗

t f B! P L

良く企業の採用担当者や経営者らが「他責の人は良くない採用しない」と言い、
ビジネス誌の記事などにも「成果を上げる人ほど自責の人が多い」「他責の人は成果を上げられない」という記事が載る。

私はこれらは悪い意味での自己責任論のプロパガンダだと思っている。

まず何故「自己責任論」が悪いかについて話てみる。

自己責任論は責任と権限の対応が取れていない

責任を担うには権限が必要だ。

例えば大工がオーダーメイドの机の制作を依頼されたとしよう。
顧客は要件を決める権利と義務を持つが、実際に机を制作する設計・製造・計画・管理・価格を決定する権利は大工が保有していなければならない。
もし顧客が勝手に価格や計画(納期)を決めてしまえば、大工は顧客の依頼を達成することができなくなる。
必要な原材料を購入できなくなったり、時間が足りなくて完成させられないかも知れない。
設計に介入されたら十分な強度や安全性が確保できなくなるかも知れない。

机の制作に責任を持つ為には、机制作における設計・製造・計画・管理・価格を決定する権利が必要なのだ。
この権利を持てなければ責任は取れないのだ。

もの作りが分からない人は家族の健康を管理する主婦の立場で考えてみて欲しい。
家族の健康的は食事を管理・制御するには家族の食事の内容を選択・決定する権利が必要だ。
もし家族が勝手に外食して脂肪や塩分・アルコールなどを過剰摂取していたら家族の健康に責任を持つことは不可能だ。
家族の健康に「責任」を持つには食事の内容を主婦が選択・決定する「権限」が必要だ。

あらゆる仕事において「責任」にはそれを担う為の「権限」が必要だ。

巷の自己責任論は権限を与えずに責任だけ取らせようとする不平等条約が多い

やたら「経営者目線」の多い人々の自己責任論はその責任を担う為の「権限」を与えずに「責任」だけ押しつけるものが多い。

例えば経営者や管理者に非常に多いのが、「勉強しないで給料が上がわけないだろ、転職もできるわけないだろ」というものだが、言葉だけ聞くと至極マトモな意見に聞こえる。

もしこの台詞を従業員に殆ど残業させず無理な労働はさせず十分に暮らしていける賃金を払っている会社が言っているのならば正論である。

しかし、実際には多くの会社は従業員に毎日深夜残業させて徹夜・休日出勤も珍しくない労働で、賃金も不十分な金額しか払っていないケースが多い。
そういう会社の経営者や管理職が「勉強しないで給料が上がわけないだろ、転職もできるわけないだろ」というのは無責任な話だ。

勉強には時間と体力が必要だ、ここでの時間と体力は「権限」である。
過剰な長時間労働を強いている時点で「勉強」の「権限」を奪っていることになる。

大半の経営者は残業時間などの就業員の労働時間の管理を怠っており、ルーズな長時間労働を放置している。
こういう会社の経営者の語る「自己責任論」は「責任」と「権限」の対応を無視した「無責任論」でしかない。
だいたい「残業時間」という管理義務を怠り、ロクに労働法も守らない会社に自己責任論を語る資格は無いだろう。

「過労死は自己責任」という言葉もあるが、「過労死」は完全に会社の「安全管理義務違反」であり「管理」の義務を果たしていない「無責任」以外の何物でもない。

私は経営者達の「自己責任論」は全く信じていないし肯定もしない。
「法律守ってから出直してこい」と言いたい。

自責と他責という固定観念はどちらも悪だ

経営者はどうして「自責」か「他責」かという固定的な思考に拘るのだろうか。
社会全体の秩序の維持から考えれば「自責」が良いかか「他責」良いかかを固定してしまうのは良くないことだ。
チームで仕事をしている場合、誰かが失敗をしたとき、リーダーがやるべきことは、失敗の正確な現象を確認し何故それが起きたかを原因を究明し、必要ならば責任者に責任を取らせ、人員配置や作業配分を変更し、再発防止に努めることだ。

この時、チームメンバーが自責の人で「私が悪うございました。ごめんなさい」といきなり謝ってしまったら、原因は究明できない。
他責の人が隣人に「お前が悪い!責任取れ」といきなり怒鳴りつけても同様に、原因は究明できない。
自責も他責も悪いのだ。
大事なことは「真実の究明」である。

「自責」が良いかか「他責」良いかを固定してしまう考え方はタダの「思考怠慢」でしか無いと思う。
こういう経営者の下では働かない方が良いと思う。
社内に原因不明のボトルネックが堆積していくだけだろう。

成果を上げる人ほど自責の人が多いのは自己裁量権を持っているから

簡単な統計やアンケート調査をすると年収の高い人ほど「自責」的な考え方の人が多く、年収の低い人ほど「他責」的な考え方の人が多いという。
しかしこれは問いの立て方を初めから間違えていると思っている。
調査内容を読むと「年収の高い人ほど無理な仕事は断る」「年収の低い人ほど我慢して引き受ける」という。
要するに「自責」の人だから成果を上げているのではなく、「自己裁量権」を持つから成果が上がるのだ。
「自己裁量権」を持つ人が「自責」になるのは当たり前である。
「他責」の人が成果を出せないのは「裁量権」が無いからだろう。
成果を上げる人は自己裁量を求め自分の判断でできる仕事を獲得すべく努力してきた人達で、成果を出せない人はそれができなかった人達だろう。
管理の視点から見れば、自責の人の上司は裁量権を与える上司で、他責の人の上司は裁量権を与えずマイクロマネジメントしている無能上司でマネジメントの問題にも見える。

この調査から導き出せる結論は「人の言うことなど聞くな、自分の判断で仕事しろ」ということだけだ。

「自責」という考え方が良いことにはならない。
無責任な経営者達のプロパガンダに騙されて奴隷にならないように気をつけろ!

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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