正しい経済政策と財務省の謎の緊縮財政

2019年1月3日木曜日

経済政策 政治

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日本経済の現状

半年ほど前から企業部門の債務が拡大している。
企業債務が拡大しているということは銀行からの企業への融資が増えていることを意味し、企業が投資を拡大していることを意味する。
また税収は前年比で3.5兆円ほど増え、新規国債発行額31兆円と合わせて過去最大の予算を組んでいる。
この予算は内需への投資に使われるので事実上「分配」の原資が増加したことを意味する。
さらにTPP及び日欧EPAにより外需を拡大させることになるので、大きな需要拡大の要素が「企業の投資拡大」「政府部門の歳出拡大」「外需の拡大」の三つあることになる。
現在の日本経済は緩やかな復活路線にあると思う。
(消費税増税を除く)

正しい経済政策(積極財政)

「正しい経済政策」というものを考えたとき、デフレ経済下では「金融緩和」「積極財政(減税含む)」が正しく、インフレが過熱した経済では「金融引き締め」「緊縮財政(増税含む)」が正しい。
デフレは物価が下がり続ける経済であり、裏返すと通貨の価値が上がり続ける経済だ。
通貨の価値が上がり続けると、人々は通貨をより多く保有して資産価値を最大化しようとする。
結果として貯蓄が増え、取引や消費が減りGDP(GDPは消費・所得の合計)が減る。
対策としては、通貨の価値が上がり続けるのだから、通貨の総量を増やして通貨の価値を引き下げれば良い。
ここで「金融緩和」が必要になる。
ただ金融緩和だけでは市中銀行に現預金が蓄積するだけなので、現預金が取引・消費に使われるようにしないと、十分に通貨の価値が下がらない。
銀行から通貨を流失させる手段は、銀行から企業への投融資を増やすことだけだ。
企業への投融資を増やすには企業の売上が増加する「期待」が必要で、この「期待」を裏付けているのは、消費者(国民)の購買力である。
消費者(国民)の購買力を裏付けるのは国民の所得と資産である。
従って、企業への投融資を増やすには、国民の所得を増やせば良い。
では国民の所得を増やすにはどうすれば良いかと言えば、政府の財政出動を増やし、何らかの手段で国民に所得や資産を分配すれば良い。
手段としては減税・公共投資拡大・公的扶助や福祉など分配を増やす・公務員を増やす・など様々な手段がある。
国民の所得が増えれば、消費者の購買力が増える。
消費者の購買力が増えれば、企業の売上期待が増える。
企業の売上期待が増えれば、市中銀行からの投融資が増える。
市中銀行からの投融資が増えれば、取引・消費に使われる通貨の量が増える。
取引・消費に使われる通貨の量が増えれば、通貨の希少性が弱まり価値が下がる。
通貨の希少性が弱まり価値が下がれば、デフレ脱却である。
(インフレはこの逆だが、説明を割愛する)
今のインフレ率は0.4%ほどで、政府目標は2%以上である。
経済学者のポール・クルーグマンは「日本の適正なインフレ率は4%だ」と言っており、2%から4%ぐらいのインフレ率(コアコアCPI)が、日本の適正なインフレ率ということになる。
適正なインフレ率になるまでデフレ対策を続ける必要がある。

財務省が進めようとする緊縮的財政

デフレ対策として正しい経済政策は「積極財政」なのだが、財務省は逆に緊縮的な財政政策を進めようとしている。
官邸は財政支出を増やそうとしているので、政府予算を巡って、予算を増やしたい官邸と減らしたい財務省の綱引きが続いている。
財務省が進める緊縮財政の代表的なところは以下のようなものである。

・消費税増税
・教育や大学・研究機関への政府支出の削減
・公的扶助や福祉等の予算削減(生活保護費削減など)
・防衛費削減(官邸との綱引きで負け)
・公共投資削減(官邸との綱引きと災害多発で負け)
・新規国債発行額の削減
・一般会計から国債を返済する(年間15兆円ほど)
・国債発行額の建設国債の比率を増やし、特例国債の比率を減らす

他にも色々と歳出削減と徴税強化に取り組んでいる。
経済政策としてみればデフレを悪化させ、GDPを縮小させる効果を持つ政策を、頑なに進めようとする。
本来、官僚は政治家の部下であり、政府の方針には従わなければならないはずだが、財務省だけは一貫して官邸に従わない。
私は数年間、このことが不思議でならなかった。

財務省の嘘

財務省は事実と異なる様々な嘘も吹聴している。
「国の借金は1000兆円。国民一人あたり800万円。将来世代の負担です」
という話は何度も聞いたことがあると思う。
しかし、先日「政府の負債は民間の資産」という記事で書いたように、政府とその所有物である日銀は合計で約1000兆円強の金融資産を持ち、金融負債も1000兆円強あるので、純負債は32兆円弱程度しかない。
将来世代の負担になるような負債は無い。

また、他にも色々な
「日本は巨大な負債を抱えている」
「社会保障費の増大に歳入が追いつかない」
「少子高齢化で社会保障コストは増大し続けるのに生産年齢人口は減少しているので増税しないと債務の返済が出来ない」
「人口減少でGDPも減るので累積債務返済の財源が無くなる」
という内容の嘘を繰り返し繰り返しマスメディアを通じて流している。

細かい嘘を一々潰すのも面倒で切りが無いので、ざっくりと説明する。

先に説明したように、政府の負債に関しては政府資産と政府債務はほぼ同額なので、純債務は少ない。

社会保障費の増大は年間1兆円ほどで、今年は前年比で3.5兆円ほど税収が増加している。

高齢化社会は永遠に続くわけでは無い。高齢者の負担はずっと増え続けるわけではなく、団塊の世代が天寿を全うするころから、減り始める。
大体、人口減少社会で高齢者の数だけが永遠に増え続けると思う方が変だろう。
従って社会保障負担は永遠に増え続けるわけではない。
将来の社会保障負担を今から見越して消費税増税や歳出削減する意味は無い。

GDP成長率と人口増加率には相関が無い。
ドイツやロシアは人口減少していてもGDPが成長していた。
単純に生産(供給)と需要が増えればGDPは成長するので、少しばかり人口が減少したところでGDPが減少すると考えるのは、何というか短絡的な発想だと思う。

「人口減少で需要が減るから経済が縮小して税収が減る」というのも短絡的だ、人類が永遠に現代と同じ内容の消費を続けると考えているからだ、農業経済中心の中世には人々の生産と消費の中心は食料だった。
現在の日本人のエンゲル係数は25%前後である。
少し前まで消費の主役は自動車や家電などの工業製品だった。
中世には自動車もエアコンもテレビも無いのだから当然である。
最近は消費の内容も変わりつつある。
「ハードウェアからソフトウェアへ」
「モノの消費からコト(体験)の消費へ」
「プロダクトからコンテンツへ」
それぞれの消費の変化はテクノロジーの進歩の結果である。
将来は工業製品は消費の主役の座から下がり、ソフトウェア・コト(体験)・コンテンツが消費の中心になる可能性が高い。(食料や工業製品が無くなるわけではない。安くなるだけだ)
従って「人口減少によって消費が減る」とは限らない。
増える可能性は十分にあるしその兆候は既に現れている。

自国通貨建ての国債は返済する必要が無い

そもそも政府の累積債務であるところの国債は全て円建てで発行されており、「正しい経済政策」的には返済する必要が無い。
国債は有価証券として通貨のように取引に使用されており、政府に返済を要求している経済主体は無い。
政府に向かって「金返せ」と言っている人を見たことがあるだろうか。

「金利が上昇したら政府は利払いで大変だから累積債務は返済しなければならない」という意見もあるが、まず日銀保有分の450兆円ほどの国債に関しては、金利は日銀の利益になり日銀の利益は政府に上納されるルールになっている。だからこれは問題ない。

民間保有分の国債は、金利は民間の利益になるのだから、国債を保有する主体の所得を増やし、国全体では需要を増やす。
GDPは需要の合計なのでGDPが金利収入分増えることになる。
GDPが増えれば税収も増える。
ある意味、政府から民間への投資が増えただけではないか。
むしろ経済が好循環するのではないか。

だいたい、国債の金利は国債の価値が下がれば上がるので、国債の価値が上がると金利は下がる。
国債の価値は通貨の総量に対する「量」の大小で決まるので、通貨の発行量にたいする国債の発行量が少なければ国債の価値は上がる。
日銀は年間80兆円の通貨を発行しているが、政府は来年度年間31兆円しか新規国債を発行しない。
これまでも30兆円代だった。(年々減り続けている)
国債の価値は上がり続け金利は下落圧力が働き続ける状況だ。

国債は「借金」というより「第二の通貨」と考えた方が実態に近い。
日銀が年間に通貨を80兆円発行するなら、国債も年間80兆円以下の発行なら「第二の通貨」の価値は下がらない。
相対的量が増えないからだ。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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