消費税減税の財源はある!

2018年11月1日木曜日

経済政策

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消費税の10%への増税が話題になっている。
財務省とその支持者である緊縮財政論者は「社会保障の財源が不足するから増税が必要だ」
「消費税は不景気の時でも安定的な税収が見込めるので、不安定な法人税や所得税を減らして消費税に移行すべきだ」
と主張している。

私は消費税増税には反対である。
むしろ減税すべきだと思っている。
さらに言えば消費税を廃止しても良いとさえ持っている。
その理由は以前の記事「デフレとは何か」で書いた。

結論から言うと消費税減税又は廃止の財源はある。
それどころか防衛費、介護、育児、教育、公的扶助、インフラ整備の財源が全て賄える。
その財源というのが先の「デフレとは何か」で説明した「通貨発行益」である。

通貨発行益

通貨発行益とは日本銀行が新規発行した通貨によって得られる価値のことだ。
アベノミクスが始まってから黒田総裁率いる日本銀行は毎年80兆円の新規通貨(円)を発行している。
これを「金融緩和」又は「量的緩和」と呼ぶ。
金融緩和は通貨の価値を下げる為に行っているのでインフレ目標のインフレ率2%になるまで続ける必要がある。

インフレ率とはCPI(消費者物価指数)のことだがCPIには三種類ある。
「CPI」と「コアCPI」と「コアコアCPI」の三つだ。
通常の「CPI」はあらゆる物価の上昇率を表す。
「コアCPI」は天候の影響を受けて価格の変動しやすい生鮮食料品を除いて物価上昇率を表す。
「コアコアCPI」は食料と国際情勢の影響を受けやすい石油などのエネルギー価格を除いた物価上昇率を表す。

インフレ率に対応するのは「コアコアCPI」である。
現在のコアコアCPIは+0.4%である。
アベノミクスの目標は+2%だ。

「デフレ対策には通貨の価値を下げる為、通貨発行が必要となる」ということを「デフレとは何か」で説明した。
インフレ率+2%に届くまでは通貨発行が必要になる。
そして通貨発行を行うと発行した通貨の量だけ価値を入手できる。当たり前の話だ。

(日本銀行:通貨発行益)

現実では日本銀行が新規通貨を発行した場合、市中(民間)の銀行などに流通している国債と新規通貨を交換することで、通貨発行という「操作」を行う。

つまり日銀が金融緩和を行う場合は、市中に過去に発行された国債が存在していなければならない。
国債が存在しない状況では通貨の発行ができない。
もし国債の無い状態で無理矢理日銀が通貨発行するなら国民全員に定額給付のような形で現金を配布するしかないのではないだろうか。

価値を獲得するのは日銀だが、日銀は日本政府が株式の55%を保有する政府の所有物である。
日銀の活動によって得られた利益は全て国庫に納付される。

(日本銀行:国庫納付金)

日銀が通貨発行によって国債を購入しただけでは政府は通貨発行益を得たことにはならない。
政府が通貨発行益を得るには国債を発行しなければならない。
つまり政府が通貨発行益を得るということは国債を発行し、それを日銀が新規発行通貨で買い取ることを意味する。

国債の価値は上昇している

「国債を発行しすぎると国債の価値が暴落し金利が高騰して政府が破綻する」
という話は良く聞くと思う。
全ての国債は円建てで発行されている。
国債と円の額面上の価値は同じなので為替相場のように交換レートが変わることはない。
その代わりに国債の金利が変動する。
国債の価値が下がれば金利が上がり、国債の価値が上がれば金利が下がる。
では国債の価値を決定しているモノは何だろう、と考えた場合、普通の人は「国家の信用」と考える。
私はこの考えは間違いだと思っている。
国家の信用が下がると「円安」になるのでは無いだろうか。
国債は円建てで、その金利も円で支払う。
国債の価値は円との比較で行われるので「国家の信用」が落ちれば「国債の価値」と「円の価値」は同時に下がる。
よって円に対する国債の相対的価値は変わらないはずだ。
つまり日本国内においては「国家の信用」と「国債の価値」には何の関係も無いことになる。
「国家の信用」は「円の価値」、つまり為替を左右するだけである。
「円に対する国債の相対的価値が下がる」状態にするにはどうすれば良いのか。
それは「円に対してより多く国債が発行される」と国債の希少性が失われ価値が下がると考えることができる。

では過去に発行された円(通貨)と国債の量を振り返ってみよう。

2013年から現在まで日本銀行は金融緩和を継続しており、毎年80兆円の円(通貨)を発行している。

新規国債発行額は以下のように推移している。
2013年、40.9兆円
2014年、38.5兆円
2015年、34.9兆円
2016年、38.0兆円
2017年、35.6兆円
2018年、33.7兆円

通貨の発行額が80兆円なのに対し国債発行額は41兆円から34兆円程度である。
(しかもだんだん減少している)
つまり通貨は国債より早い速度で増えている。
通貨に対する国債の量の比率は年々少なくなっている、ということだ。
通貨の総量(M3)と国債の総額は以下のように変化している。

2013年、M3=1187兆円、国債残高=1017兆円、(国債残高÷M3=0.86)
2018年、M3=1337兆円、国債残高=1089兆円、(国債残高÷M3=0.81)

ご覧のように、通貨の総量に対する国債残高の比率は、2013年が0.86、2018年が0.81と減少している。
つまり国債は年々通貨に対して希少性を増している。
希少性は価値を左右するから、国債の価値は年々増していると考えるのが自然だ。
価値を左右する要素としては他に信用と流動性(手に入れ易いか)があるが、信用は国家の信用であり日本に信用が無ければ円にも信用がなくなる。ここでは無意味だ。
通貨は数値情報なので流動性は無限大に近い。やはり無意味だ。
だから希少性だけが意味を持つ。

今のまま通貨発行と国債発行を続けるなら国債は年々希少性を増し価値を上昇させていく。
金利は下がり、上がる要素が無い。
政治的理由で金利を少し上げる可能性はあるが、国債の実体価値が下がる要素は無い。

不景気に税金を取り過ぎている日本政府

現在のインフレ率が0.4%で、目標の2%に比べて不十分なことは述べた。
2017年の税収は57.7兆円で、1991年の59.8兆円に匹敵する税収がある。
1991年のインフレ率は 3% ほどで、事実上は金融緩和のできない状態にある。
この状態では歳入はかなりの比率で税収に頼らなければならない。
しかし現在のインフレ率は 0.4% なので金融緩和を行わなければならない状態であり、同時に通貨発行益が得られる状態にある。
従って今のようにバブル期並の税収を確保する必要は無い。
税率を減らして、消費者の可処分所得を増やし、内需と個人消費を拡大すべきなのだ。
特に消費に影響の大きい消費税を減税するべきなのだ。

通貨発行益は最大で年間80兆円は確保できる

先に説明したように現在の日本はデフレ対策の為に金融緩和(通貨発行)をしなければならない経済状態にある。
金融緩和(通貨発行)をすれば、通貨発行益が得られ政府の予算に使える。
日銀は毎年 80兆円 の通貨を発行している。
国債の価値は円(通貨)の総量に対する相対的な量で決まると、先に述べた。
国債の発行額は国債の価値が大きく下落しない程度の量しか発行できない。
ということは、円(通貨)の発行と同じ量の国債を発行する限り、国債の価値は下落しないことになる。
つまり毎年80兆円の国債を発行しても国債価値の下落(国債金利の上昇)は起きないということになる。
政府が2017年に発行した新規国債は 35.6兆円である。
あと44.4兆円政府予算(歳出)を増やす余地があるということだ。
財務省の言う「予算が無い」というのは嘘だということだ。

私は短期間なら年間100兆円の新規国債を発行しても国債価値の下落は起きないと思う。
2013年から2018年まで通貨発行を続けた結果150兆円通貨の量が増えている。
国債の量は2013年から2018年まで72兆円しか増えていない。
5年間で差し引き 78兆円通貨の量が多くなっている。
つまりこの78兆円分と同額の国債を発行しても、通貨のの量に対して国債の量が多くなることは無く、国債価値の下落(国債金利の高騰)は起きないということだ。
もし毎年100兆円の新規国債を発行すれば、毎年20兆円超過なので4年(3.9年)は国債価値の下落は起きない。

4年間に渡り、年間税収59兆円+国債80兆円なら予算は139兆円。
国債100兆なら159兆円の財政出動が可能だということだ。

これだけの規模の財政出動をすれば確実にインフレ目標 2%を達成しデフレを脱却できる。

これは十分に可能な財政政策である。

マクロ経済音痴はもう辞めろ

「ある予算を確保する為には、別の予算を削らなければならない」という考え方を「ゼロサム論」と言う。
「政府の歳入は税収だけしか無い」という間違った認識に基づく、間違った予算認識だ。

先に説明したように政府の歳入は「税収」と「通貨発行益」の二つがある。
(実際は年金のように資産運用益もある。金額は両者ほど大きくない)

消費税増税論は「ゼロサム論」に基づいた考え方で完全に間違っている。
将来の社会保障費を確保する為に消費税増税は必要無いし、「社会保障費が増大し続ける」という話も私は眉唾だと思っている。
集計にもよるが、日本が人口減少社会に突入したのは2016年ごろからである。
当然それまでは人口が増えていた。
人口が増えれば社会保障費が増えるのは当然である。
しかし人口が減れば社会保障費は減る。
高齢化により上昇圧力は掛かるが、以前ほどの速度では社会保障費は増えないだろう。
また高齢者も団塊の世代が天寿を全うすると減少する。
将来の社会保障費の問題は一般で言われているほど深刻な事態にはならないと思う。

前回8%に増税した消費税は2割しか社会保障費に使用されていない。
8割は必要も無いのに「国の債務の返済」に使われている。

政府の債務は全て自国通貨(円)建てで発行されており、返済の必要が無い。
国債は有価証券として市場で流通しておりそのまま市場取引に使用できる。
なぜ返済して消滅する必要があるのだろう。
民間の銀行では国債不足で資金運用に困っているというのに。

自国通貨(円)建て国債を返済する為に消費税を増税する財務省は「狂っている」としか形容できない。
何を考えているのが分からない。

信じられない話かも知れないが、現在の財務省は異常な財政を実施しているのだ。
「官僚の暴走」とも言える国家の危機である。

官僚や政府がこのような状態なので、国民が経済にある程度詳しくないと、間違った経済政策で国を滅ぼしてしまいかねないのだ。
マスメディアは財務省に仕切られているので信用できない。
ネットメディアと出版社だけが頼りなのだ。

国民がマクロ経済音痴のままなら国が滅びる。
人々は経済に対する知見を増やして欲しい。
生存の為に。

参考書籍など











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