デフレとは何か

2018年10月23日火曜日

経済政策

t f B! P L

今、経済政策がホットな局面を迎えている。

私は当初フォローしていなかったが「リフレ派」及び「ケインズ派」の言論が一般に広まり始めている。私もその影響を受けた一人だ。
元々は10年以上前からリフレ派経済学者らが言論活動で啓発を続けてきたらしい。
その後リフレ派経済学者から経済評論家や一部エコノミスト、社会学者などに広がり、彼らの言論活動を通じて私のような一般人にまで広がってきた。
今のところ世間一般へはまだ十分に広がっているわけでは無いが、経済学の初歩と日本の財政を理解する人々は確実に増えている。
経済を正しく伝える一般書籍も以前に比べて随分増えた。
今は漫画作品まである。
政治勢力としてはまだまだ弱小だが「リフレ派」及び「ケインズ派」は確実に政治勢力の一角に育ちつつある。

アベノミクスも元々はリフレ政策だった。
しかし何らかの事情で十分にリフレ政策を遂行できていない。経済政策としては中途半端になっている。
しかし中途半端であっても雇用増大による失業率の大幅な低下と、労働者の売り手市場を顕在化させた。
十分に偉大な成果だ。
リフレ政策を完全に遂行すれば日本経済はさらに豊かに成長する。
その為には国民のリフレ政策に対する理解と支持が必要になる。

私もリフレ派の指導者の方々の影響を受けた庶民の一人として、非常に微力ながらブログやSNSを通じて、啓発していきたいと思う。

また、経済学に対する理解はたとえ初歩の理解だけでも、道徳観念や善悪判断に大きな影響を与える。
私も経済を少し理解した時点で社会保障や納税、財政出動などに対する理解が百八十度変わり、「公共事業は積極的に行うべき」「防衛力は増やすべき」「生活保護などの公的扶助は増大した方が経済成長に繋がる」「消費税は減税した方が長期的には歳入は増える」「年金制度は盤石である」など認識が一変した。

これら経済学ベースで変わった道徳観念についても今後書いていきたい。

最初は今の我々の生活にもっとも直結した話をしたい。

デフレとは何か

リフレ派やケインズ派の人たちには釈迦に説法だが「デフレとは何か」という基本的な質問に答えられない人はまだ多い。
アベノミクスはデフレ対策なのだが安部政権支持者でも先の質問に答えられない人が居る。
アベノミクスが始まってから六年も経つのに、これまでアベノミクスの解説本一つ読んでこなかったらしい。
ハッキリ言って不勉強過ぎるし有害ですらある。
こういう支持者は「予算が足りない」「社会保障財源が不足しているから増税が必要だ」という話を信じてしまうので居ない方が良いのだ。

デフレ経済とは通貨の価値が上昇し、あらゆるモノ(やサービス)の価値が下がることを言う。
反対にインフレ経済とは通貨の価値が下がり、あらゆるモノの価値が上がる状態を言う。
通貨はモノの価値を数値化したものなので、市場ではモノの価値は通貨と比較して測る。
通貨そのものの価値が高くなれば、モノの価値は下がる。
逆に通貨の価値が下がれば、モノの価値は上がる。
非常に簡単な話だ。

デフレ現象を一言で言い表すと「総供給に対して取引に使う通貨が不足している状態」と言える。
そしてもう一つ重要なことが「デフレになると需要不足が発生する」ということだ。

デフレの説明ではリフレ派とケインズ派で解釈が異なり意見が衝突することがある。
先の説明はリフレ派の説明だ。リフレ派は「デフレは通貨現象である」と言う。要するに「総供給に対して取引に使う通貨が不足している状態」のことだ。
ケインズ派は「デフレとは総需要の不足である」と説明する。
一部のケインズ派は通貨現象や金融政策(通貨の発行量を調節する政策のこと)を否定するが、大多数は金融政策の効果と有効性に対して理解している。
リフレ派とケインズ派は日本ではTPPなど自由貿易政策を巡って対立した経緯がある。
リフレ派はTPP賛成、ケインズ派は反対である。
今はアメリカがTPPから脱退したことでTPPの影響が小さくなり対立も注目されなくなっている。
現在はどちらも「積極財政」「消費税増税反対」を主張しており対立らしい対立は無い。(細かい衝突はある)

デフレやインフレを考える場合、頭の中で三つのモノの量を意識する必要がある。
それは「(取引に使う)通貨の総量」と「総供給」と「総需要」の三つである。

通貨はただ存在すれば良いわけではない。取引に使われなければならない。銀行で預金された通貨がいくら多くても意味はない。取引に使われる通貨の量が重要なのだ。
総供給とは日本人全ての生産物の総量である。ここにはサービスも含まれる。
総需要は「消費」のことである。将来の消費を見込んでの「投資」も需要に含まれる。

※通貨の量と総供給と総需要の図

一年間に生じる「(取引に使う)通貨の総量」と「総供給」と「総需要」のバランスがデフレやインフレといった景気を決定する。

三つの内、中心に考えなければならないのが「総供給」で他の二つは総供給との比較で考える必要がある。

需要と供給のバランス

経済が機能する為、つまりモノが売れる為には需要と供給のバランスが取れていなければならない。

需要が大きすぎ供給が小さいと人々は必要なモノが十分に入手できない。
需要超過はモノ不足から物価上昇を招くが、需要が大きすぎると物価上昇に賃金上昇が追い付かず国民が貧しくなる。

※需要超過の図


供給が多く需要が少ないとモノ余りから物価が下がる。
また生産過剰なので作ったモノが全て売れないことになる。
モノの中には労働サービスも含まれるので賃金も下がる。

※需要不足の図


需要と供給はだいたい同じぐらいの量が丁度良い。
作ったモノが全て売れる、物価も極端に上下しない。
正確には需要の方が供給より4.5%ほど多い方が良いらしい。(この数値をGDPギャップと呼ぶ。プラスが需要超過、マイナスが需要不足になる)
需要小超過の方が少しモノが不足しているので物価がゆっくりと上がって行く。すると人々は供給を増やそうとする。需要も供給も増えていく。これは経済が成長することを意味する。

通貨と総供給のバランス

取引に使われる通貨の量と総供給もだいたい同じか、やや通貨の方が多いぐらいが良い。

ここで大事なのは預金などを含めた通貨の総量ではなく、買い物や支払い、給料などに使われる「取引に使われる通貨の量」が重要である。
通貨の総量が不足したら、取引に使われる通貨も減るので、総量も大事なのだが、通貨の大半が預金に使われると取引市場に出てこないので、総量だけ増えても取引通貨が増えたことにならない。
繰り返すが大事なのは取引通貨の量だ。

総供給量に対して取引通貨の量が多すぎると通貨の単価が下がる。これは物価が上がることを意味する。
これがインフレである。

総供給量に対して取引通貨の量が少ないと通貨の単価が上昇してしまう。
これは物価が下がることを意味する。
これがデフレである。
通貨の価値が上がり、あらゆる物価が下がると、人々はモノを売って通貨を入手しようとする。入手した通貨は預金しておけば価値が上がるので国民が保有する通貨の大半が預金になってしまう。
すると取引通貨の量が減る。
取引通貨が減るということは取引が減るということだ。
取引が減るということは総需要が減ることを意味する。
つまりモノが売れなくなる。
需要が減ると供給が余るので余ったモノを作り売っている人たちは所得を得られない。その人たちの給料が減る。
するとその人たちの分だけ需要が減る。減った分だけまた供給が余る。余った生産者の所得が減る。
という悪循環が発生する。デフレスパイラルだ。
結果として経済(需要と供給)が縮小する。
デフレが有害なのはその点にある。
国民全員が毎年貧しくなっていく。

取引通貨の量が多すぎるのも問題だ。
総供給に対する取引通貨の量が多すぎると通貨の価値が急激に下がってしまう。
これは物価が急激に上がることを意味する。
通貨の価値が下がり、あらゆる物価が上がると、人々は通貨をモノと交換しようとする。価値の下がり続ける通貨を売り価値の上がるモノを買おうとする。
バブル経済の時は株と土地が買われ、株価は高騰し土地の値段も異常に高騰した。
「東京を売ればアメリカが買える」などと言われた。
バブル(インフレの異常な加熱)の悪いところは物価上昇に賃金の上昇が追いつかないことだ。
緩やかな物価上昇なら物価の上昇によって企業の売上も上昇し、その上昇分が従業員の賃金に反映される。
しかし物価上昇が早すぎると「物価上昇」→「売上増」→「賃金増」のサイクルが回る前に次の物価上昇が起こってしまう。
賃金増が常に遅れてしまう為、人々が貧しくなってしまう。

第一次大戦後ドイツでハイパーインフレが起こったときの有名な話にこんなのがある。

ある紳士が喫茶店に入った。
コーヒーの値段はトランク一杯の紙幣分だった。
コーヒーを注文し飲んで寛いでいる間に通貨の価値が半分になり、支払時にトランク二杯分の支払いを要求された。

歴史の教科書に書いていたと思う。
過剰なインフレをわかりやすく描いたストーリーだ。

取引通貨の量は総供給に対して少し多いぐらいが望ましい。
通貨の価値が年率2%のペースで下がっていく程度がもっとも良い。
つまり年率2%のインフレである。
このインフレ率になると、失業率がこれ異常下がらない水準の「完全雇用」になる。
これはアベノミクスの物価目標である。

通貨の量と総需要の制御

現在の日本経済はインフレ率+0.7%の不十分なインフレである。
この状態をデフレと呼ぶ場合もある。
理想的なインフレ率は+2%から+4%なので、現在のインフレ率は極めて不十分である。
デフレと呼んでも差し支えない。
民主党政権時代は-0.5%(注意!マイナスです)だったので、アベノミクスで1.2%ほどインフレ率は上昇している。
ある程度成果が上がっているのである。

インフレ率の制御は主に通貨の量と総需要を政府が調整することで行われる。
前者を金融政策、後者を財政政策と呼ぶ。
現在はデフレ対策でインフレを起こす必要があるため、金融緩和(通貨発行)により通貨の総量を増やし、財政出動により総需要を増やす政策を取る必要がある。

現在の安倍政権の政策は金融緩和は行っているが、財政出動は不十分で総需要が十分に増えていない。
ハッキリ言って消費や内需は増えていない。
現在の経済成長は外需に依存している側面が大きい。
もっと財政出動を加速し総需要を増やして内需を増やす必要がある。
今、理想的な財政出動は「消費税の減税」である。
増税ではない、減税である。
確実に消費(総需要)が伸びるからである。

なぜ通貨発行だけではダメなのか

総供給量に対する通貨の量が通貨価値を左右するのは事実だが、金融緩和だけではしばらくの間は十分に通貨価値を引き下げることができない。

日本銀行の発行した通貨の大半が民間の銀行の預金になって滞留してしまい、取引通貨の量が十分に増えないからだ。
民間の銀行に貯まった通貨が取引市場に出てくるためには、銀行の貸し出しを増やさなければならない。
銀行の貸し出しを増やすには、貸出先の企業の売上に対する信用が増えなければならない。
言い換えると「売上の期待額」が増えなければ銀行の貸し出しは増えない。
「売上の期待額」が増える為には企業の顧客である消費者がモノを買う金を持っていなければならない。
お金(所得)の裏付けのある必要や欲のことを「有効需要」と呼ぶ。
今の日本には「有効需要」が不足していて消費者が欲しいモノを買えないのだ。
だから財政出動で有効需要を増やす必要がある。
その代表的手段が消費税減税なのだ。
有効需要を増やせば「売上の期待額」が増え、銀行からの企業への貸し出し総額が増える。
する民間の銀行に滞留していた預金が取引に使用され「取引通貨」の量が増える。
「取引通貨」の量が増えると通貨の価値が下がり、物価が上昇する。
つまりインフレが起きるということだ。


消費税の減税を実施せよ

消費税の増税は消費者の所得を削り、有効需要(お金の裏付けのある必要や欲)を減らしてしまう。
逆に消費税を減税すれば有効需要は増える。
デフレ脱却の為には消費税を減税すべきなのだ。

消費税の減税の話になると「財源」の問題が上がる。
「財源」に付いては説明すると長くなるので、別の記事で書く。
簡単に説明するとデフレ経済下では通貨を発行する必要がある為、逆に通貨発行によって生じる「通貨発行益」を政府の予算に使用できる。
したがってデフレ期は政府の予算に対して税収が不足しても良いのである。
デフレ期は減税して有効需要を拡大してインフレを起こす。
インフレになったらGDPが増えるので税収も増える。
その時税収を政府予算に使えば良いのだ。

現在の日本に財政問題は無いのである。

右派は安藤裕を左派は山本太郎を支援せよ

現在、政治家の中で「積極財政」を訴えている政治家は少ない。
しかし目立つところでは、右派の自民党では「安藤裕」議員が、左派の自由党では「山本太郎」議員が消費税減税を訴えている。
正確には、安藤裕氏は「100万円以下の全ての決済に5%の軽減税率を適用する」ことを主張している。
実質的に消費税を5%に減税することに等しい。
山本太郎氏は「消費税を5%に減税する」ことを主張している。
どちらの経済政策もほぼ同じと考えて良いと思う。

そこで右派の方は自民党の安藤裕議員を、左派の方は自由党の山本太郎議員を支援することをお勧めしたい。
イデオロギーを変える必要は無い。
ただ「消費税増税反対」と「消費税減税」を訴えて欲しい。

今日はこれまでです。

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