政府は制度や業務を単純化せよ

2018年9月23日日曜日

システム開発 政治

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サマータイムの議論が過熱し、サマータイムのシステム対応が工数的にも時間的にも不可能だと言う情技師(ITエンジニア)の意見が相次ぎ世間一般にも理解されるようになった。
世論の過半数がサマータイムに反対だという。




社会がシステム化及び自動化される程、「システムに制度を合わせる」ことが重要になってくる。




システム開発は難しく情技師の労働待遇も劣悪で、システム開発の計画や管理体制も杜撰なものが多い。
情技師には劣悪な労働と雇用体制で精神疾患になり会社に隠れて通院しながら働いている者も多い。隠れるのは精神疾患に対する偏見が多く、また少しでも欠陥が有ればそれを口実に単価を安く買い叩こうとする会社が多いからだ。
詳しいことは言えないが、昔私もその一人だった。
疾患を理由に月単価を値下げされたことが有る。それで仕事が減るかといえばそんなことは無い。健康な人間とまったく同じだ。
だから超過労働で精神疾患になった情技師の中には健康保険を使わずに通院するものもいる。会社に通院がバレると単価を引き下げられたり差別されるからだ。
現場でシステム改修に携わる情技師の雇用労働環境は劣悪だ。
システム開発プロジェクトの計画や管理はかなり杜撰なものも多い。
社会や経営者のITやシステムや情技師に対する誤解や偏見も、情技師が健康を害するに十分なものだ。

システム的に実現不可能になる制度変更

情技師がそんな状況の中、あまり有意義とは言えない制度改正によるシステム改修案件が山積みになっている。

「消費税増税及び軽減税率対応」
「新元号対応」
「サマータイム対応」

現在日本の情技師の総数は数え方にもよるがだいたい80万人ほどだと言われている。
この人数だと日本の官公庁システムで一斉に制度変更に伴う改修が発生したら人数的に対応できない。
それほど現在社会で使用されているシステムやソフトウェアは多い。
しかも技術の進歩が早く、それまで機械には出来なかった仕事が次々機械化されて行く。機械はシステムで制御するので、社会を制御するシステムはどこまでも増えていく。
その内に大半の仕事をシステム制御の元で機械が行うことになる。
この流れは止めることが出来ない。世界的競争に曝されるからだ。海外企業が無人で提供する製品やサービスに対し、日本だけ人海戦術で競争していたら価格競争で勝てない。
国内の競争でも同じだ。
一つでも自動化された企業が現れたら、競合は「自動化する」か「淘汰される」か選ばなければならない。

現時点でも社会のシステム化自動化の比率は大きく、システムの改修無しには制度の変更は出来ない。
今後はシステム化は益々加速する。自動化が競争を制する側面が少なくないからだ。

現在の非情技(非ITエンジニア)の人々はシステムやソフトウェアに対する理解が無く、「システムなんてよく分かんないけどどうせ簡単なんだろ」
「ITなんてどうせ大したもんじゃないだろう」
「ウチの新人は一週間でパソコンの使い方覚えたぞITなんてその程度のもんだよ」
という認識のものは上の世代ほど多い。
これらのセリフは実際に何度も日常やメディアで耳にしてきた。

しかしこれらのITを重要ではなく簡単なモノと考える「情技軽視」の人々が社会制度や経営などを更新変更しようとすると、システム的に変更不可能な計画を立ててしまう。
結果として思い通りに社会制度や法律を変更出来なくなってしまう。

新元号の対応は約二年の時間が与えられたがこの二年という時間は情技師が見積もりを出して決めた期間では無い。
全ての官公庁システムを改修するには期間が短すぎる。
全てのシステムの新元号対応は不可能と結論付けられ、官公庁システムは一部だけ新元号に対応し改修できないものは平成のまま運用するそうだ。
官公庁間の足並みも揃わず警察など一部の省庁は西暦を使用するそうだ。
つまり新元号にはシステム対応出来ないのだ。

サマータイムはシステム対応不可能だろう。

私は軽減税率も対応不可能だと思っている。
ちなみに私はリフレ派なので消費税増税に反対である。関係無いが。

政府は制度の単純化を進めるべき

ハッキリ断言するがシステム化の需要拡大に対して情技師の供給はしばらく追いつけない。
技術は世界の技術者が進歩させ世界で共有されているので加速度的に進歩する。
人材養成が加速度的に拡大する様子は無い。
精々、等速的に拡大する程度だろう。

非情技の経営者は基本的に情技師を安く買いたたきたいので無限に情技師の価値を貶めようとする。
そんな連中の声の中に「プログラムなんてその内にAIが作るようになるからプログラマーなんて要らなくなるさ」というものがある。
AIがプログラムのかなりの部分を自動化する可能性があるのは事実だろう。
しかし今までもプログラムやシステム開発は自動化を繰り返してきた。
私が1990年代に行っていたCAD開発や画像処理の開発業務は今ほとんど消滅している。
CADはデファクトスタンダードが揃ってしまい新規参入は難しい。
画像処理や幾何学的処理もライブラリやフレームワークなどの「部品」が揃っていて自分で作る時代ではない。
つまり昔の私の仕事は既に消滅しているのだ。
しかしプログラマーやSEの需要は減るどころか増えている。
自動化された部品を使ったプログラミングの仕事が増えただけだった。
AIにおいても私は同じことが起きると思う。
AIが自動でソフトウェアを作ってくれるのならば、AIに仕事をさせる仕事が増えるだけだ。
AIを操作する言語は専用のプログラミング言語だろう。
自然言語はAIに命令を下すには曖昧で非論理的すぎるのだ。
AI専用の言語が必要になる。
それは、もしかしたら日本語によく似た言語になるかも知れないが日本語と同じモノにはならない。
未来の情技師は細かい開発はAIが代行してくれるので、今より抽象度が高く社会性の高い仕事をしているだろうから、社会システムを作っているかも知れない。

情技師の仕事が無くなる一つの可能性として「人類全てがプログラマーになる」というのがあると思う。
情技師と非情技の区別が無くなり、全ての人々が仕事でプログラミングを行う時代は来るだろう。
専業プログラマーやSEというのは無くなるかもしれない。
ただ今でもSEには業務知識が求められていることが多いので既に専任の情技師ではない。
業務担当者もある程度のITの知識は必要なので完全な素人でも無い。
将来は業務担当はITの知識を習得し、情技師は業務知識を習得し、互いに融合していくだろう。
情技師が失業する事にはならないと思う。

むしろ失業するのはAIに仕事を代替される非情技の人ではないか?

バラバラの「制度の共通化」と「制度自体の単純化」が必要

制度をシステム化するには出来るだけ仕様を単純に、システムの個数を最小にする努力が必要だ。

行政の仕組みの中には「この制度とあの制度を一つにした方が良いのではないか」と思えるものは少なくない。
たとえば、社会保障制度の給付制度など官公庁の縦割り行政でバラバラに支給されていて分かりにくく手続きも煩雑でお世辞にも効率が良いとは言えない。
バラバラの制度ごとにシステムを開発運用しているのかと考えると「無駄に情技師を浪費しているな」と考えざる得ない。
こういう考え方は「情技軽視」の人には伝わらないので非常に面倒だ。彼らには「無駄に税金を浪費している」と言った方が伝わるだろう。

私は十年ほど前、超過労働でバーンアウトして数年働けなくなったことがある。
その時、公的扶助で暮らしていたので社会保障給付に多少の知識がある。

サラリーマンが病気になって働けなくなった時に受給できる公的扶助と関連制度に以下のものがある。

傷病手当金(健康保険)
障害年金(年金機構)
障害厚生年金(年金機構)
労災保険(厚生労働省)
障害者手帳(保健所)
失業給付障害者枠(ハローワーク)
生活福祉資金貸付制度(福祉事務所)
住宅確保給付金(市役所)
生活保護(福祉事務所)

誤解の無いように言っておくが私はこれら全て利用した訳では無い。
下の方は使ったことが無い。
だいたい、これ全部使っている人など居ないだろう。

これらの給付は重複してはいけないものもある。
傷病手当金と障害年金・障害厚生年金は重複分の金額が控除される。
例えば傷病手当金が20万円だとして障害厚生年金が5万円だった場合、傷病手当金から5万円控除されて15万円が支給額になる。受給金額の合計は同じ20万円である。

他の制度も重複できないものが多い。
失業給付を受給している者は生活福祉資金貸付制度や住宅確保給付金が利用できない。
労災保険を受給している者は障害年金を受給できない。(労災保険の中に障害年金に相当する機能がある)

また同期関係にある制度もある。
障害年金・障害厚生年金を受給していると障害者手帳は無審査で発行される。

つまり縦割り行政でバラバラに支給される公的扶助は互いに矛盾の無い形で連携運用されている。

システムに関わる者としては、これらの公的給付制度は一つの制度に統一した方が良いと思う。
行政改革の話で税務署と年金機構がバラバラに税金と年金保険料を徴収するのが無駄なので一つに纏めて「歳入庁」を設立すべきだ、という話がある。
制度をシステムに合わせて一本化し単純化する意味では良い方法だ。(政治的な意味で私は反対だが)

これと同じようにバラバラの公的給付も担当官庁を「給付庁」に統一し、全ての公的給付を給付庁から行えば、現在行っている複雑な連携作業が全て無くなる。
連携の事務手続きに掛かっているコストはバカにならない金額だと思う。
それぞれのシステム開発に掛かるコストは何千億という金額だろう。
一つに纏めた方が良い。

あと一つの制度の中でも複雑な制度は単純化した方が良い。
失業給付の「自己都合退職」と「会社都合退職」は事実上無意味なので廃止して全て「会社都合退職」と同じ運用にした方が良い。
ブラック企業など超過労働やパワハラなどで退職に追い込み無理矢理「自己都合退職」に追い込むケースは多数ある。
自己都合退職という制度が有害に作用している。
制度も有害だしシステムも複雑だ。
無駄な制度は廃止して単純化すべきだろう。

制度を単純化すると自動化できる業務が増える。業務自体も減る。
必要な人員も減る。
今の日本は公務員が不足している。労働基準監督署も福祉事務所も警察も自衛隊も消防も皆「人手不足」だ。
IT投資と業務の単純化で省力化すべきだろう。

政府も何れ自動化される

「将来AIが大半の仕事を人間から奪うだろう」という話は聞いたことがあると思う。
官僚や公務員の仕事も例外ではない。

さすがに自衛隊や警察を全自動化するのは無理だが、無人攻撃機やロボットパトロールぐらいは導入するだろう。

財務省や日銀など会計業務を行う官庁は自動化の余地が大きいと思う。
会計はITが最も得意とする業務だ。

しかし業務をシステム化する為には「システムに業務を合わせる」必要がある。
政府はまず、「重複する制度の統一」と「制度と業務の単純化」に取り組むべきだろう。
給付対象が多少増えることになっても、業務の運用コストが大幅に下がるのなら受け入れるべきだ。

遅かれ早かれ、政府の業務の大半が自動化される時は必ず来る。
その時に備えて制度のシステムへの最適化は今から取り組んでおくべきだろう。
技術が登場してからでは遅いかも知れない。
隣の国との競争に負けることになるかも知れないのだから。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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