安心安全を過剰に求めるな少しはリスクを取れ

2018年9月21日金曜日

システム開発 システム業界問題 道徳常識

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いきなり「リスクを取れ」と言っているが別に「起業しろ」などという人生を左右する大きな決断の話ではない。
もっと小さな「商品やサービスの選択」の話である。

私も含めて人々は商品やサービスを選ぶとき、大手の有名所のモノを選ぶ。失敗したくないからだ。
だが、それだと多くの人が限られたブランドの製品しか買わなくなってしまう。
結果として一つの市場で生き残るブランドはせいぜい三つぐらいになってしまう。資本の効率的配分を考えた場合、過剰に会社が分散しているのも効率が悪いので成熟市場ではブランド企業が有る程度収束集中した方が良い面もある。
しかしシステム開発やWeb作成、法律業務や税務、販売など人海戦術で人の数だけしか拡大できない成熟しない業界にもブランド力を求めるのはナンセンスだと思う。

ある売れっ子Web制作者は「自分のリソースから考えてこれ以上仕事を受けられないという場合も私は断らないです。知り合いの制作者に仕事を依頼します。5%のマージン取って」と言う。
サービスの提供を増やす為に物理的に人が必要になる仕事の場合、一つのサービス提供者に依頼が殺到すると、その提供者は同業他社に仕事を下請けで出すしか無くなる。
本来ならその提供者を中抜きして、依頼者が直接下請けに依頼するのが望ましい。余分なマージンを払わなくて済むからだ。

この場合、リソースが不足しているからと依頼を断らなかった制作者も悪いかも知れないが、業者について良く調べもせず有名所に依頼する依頼者の方に根本的な原因が有ると思う。

依頼者が有名所に発注したがるのは「失敗したくない」からだ。しかし受託者は余裕がなければどこぞの下請けに発注してしまうので、全然リスクは低下していない。
自分でリスク制御できない分、かえってリスクが増してるかも知れない。

初めての発注取引ではどうしても失敗のリスクは避けられない。
有る程度のリスクは許容しなければならない。

どうしても失敗したくないのであれば、社内で作るしかない。開発者や制作者を雇用して。

請負業者へ外注することは有る程度のリスクを取り、さらに業者を探す努力をしなければ、無駄なマージンを支払うことは避けられないのだ。
それをしないことは「発注の怠慢」である。

SIer業界の多重請負も「発注の怠慢」で発生している


ユーザー企業もシステムの発注は大手か以前からつき合いのある業者に依頼すると思う。
有る程度大規模なシステムの場合、資本力とマネジメント能力から考えて大手に依頼するのは必ずしも間違っていないかも知れない。
しかしどの会社にも開発力の限界があることを発注元は考えておかなければならない。
丸投げにしてはいけない。
SIerもキチンと話を聞けばリソースが不足していれば不足していると答えると思う。
顧客が確認しないのが悪いのだ。
業者のリソースが不足していれば他の業者に依頼すべきだ。
ユーザー企業にはベンダーマネジメントもITガバナンスも人材調達も全部SIerに丸投げにしている会社が結構あるが、それぐらいは自分でやるべきだ。
丸投げにすることによって無駄なマージンをそれも少なくない金額を払うことになっていることを自覚すべきだ。
SIer業界では丸投げした先の業者がまた丸投げにすることは珍しくない。
丸投げするような客には丸投げするような業者が付く。人間は似たもの同士集まるのだ。

どうして売り手だけがマッチングコストを払っているのか


受託開発業界では受注側が多額の営業コストを払い発注者を探すのが当たり前になっている。
過去の私を含め皆それが当たり前になっていると思う。

しかし、本来取引というものは「通貨」と「製品やサービス」という価値を等価交換する行為であり、その交換が双方の利益になるから行うものだ。
売り手と買い手のマッチングによる便益も双方に等価で有り、その負担も双方で背負うべきだ。

つまり、売り手が一方的に営業努力をして買い手とマッチングするのでは無く、売り手と買い手が双方とも相手を探しマッチングする方がマッチングコストは安くなるのだ。

マッチングを一部のマーケティングに強い少数の業者に依存することで、その会社に多額のマージン(マッチングコスト)を支払うことになっているのだ。
マッチングを各社が自前でやれば一つ一つの会社が負担するマッチングコストは安くなる。
そしてもう一つのメリットとして仲介コストの負担が減るか無くなる。

今はITサービスにマッチングサービスが多数存在するので買い手にやる気が有れば安くマッチングを行うことができる。

買い手はもう少し外注業者を探すコストを支払うべきだろう。その結果として仲介コストが安くなるはずだ。
そして業界も健全になると思う。

そのためにも失敗のリスクは自ら取り、自ら制御すべきだ。

デフレマインドが身を滅ぼす


日本は15年もの長い間デフレ経済に苦しんできた。
2013年に一応インフレ率がプラスに変わり、不十分ではあるがインフレになった。
インフレ率と失業率にはフィリップ曲線という逆相関の関係が成り立つ。インフレ率が2%以下までは、インフレ率が上昇するほど失業率が下がるという経済学の法則がある。
インフレ率が2%になったとき失業率は最低の「完全雇用」となる。
アベノミクスは、この完全雇用を目指して物価を引き上げる「インフレターゲット政策」を実施する政策のことだ。
金融緩和と財政出動はその手段である。

つまり経済政策でデフレは終わらせることができる。
デフレが長引いたのは2012年以前の15年間の経済政策の失敗によるものだ。
民主党政権も前自民党政権もどちらも悪いのだ。
右か左かイデオロギーの問題ではない。経済学的に正しい政策を実施するかどうかの問題である。

デフレは供給過剰の需要不足を生む。
この状態の市場では買い手市場になり「お客様は神様です」という価値観が蔓延しやすい。
しかし(インフレ率が不十分ではあるが)デフレは終わった。
正常な経済政策を実施すればインフレになるのだ。
正常な経済では売り手市場になる。
「お客様は神様です」という価値観はデフレマインドなのだ。経済環境の変化に合わせてマインドを切り替えた方がよい。
売り手と買い手は原則対等である。

2012年以前の15年間は「歴史的に見ても異常な経済」だったのだ。

もう一度言う。
デフレは終わった。
マインドを切り替えることは避けられない。
古い価値観を引きずると、身を滅ぼすだろう。
需要と供給のバランスの変化を自覚する必要がある。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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