右派か左派かだけではイデオロギーを説明できない時代

2018年7月30日月曜日

経済政策

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システムの話から始めたいところですが、まず私の政治的志向を表明しておきたいと思います。本ブログでも政治的意見を積極的に発信していきたいと考えております。政治的に意見の異なる方がその意見を読めば不快になる可能性が高いですから最初から政治的立場を明らかにしておきます。


右派か左派かだけではイデオロギーを説明できない時代

現代の政治思想は単純に右派か左派か、保守派かリベラリズムかという一次元では分類できない時代になっています。 二次元座標で考えることを推奨する人も居ます。

この場合従来の保守派、リベラルの x 座標に加えて、「自由主義」と「共同体主義」の対立である y 座標も考慮に入れなければなりません。リベラル自体が元々自由主義なわけですがここの 「自由主義」は最近では「自由主義」は正確には「新自由主義」に該当する概念です。現代のリベラルは「社会自由主義」と呼ばれ国家によって脆弱な個人を守っていこうとゆう価値観になっておりむしろ共同体を必要としています。個人を脅かす存在は嘗ては国家だったわけですが現代は過剰な市場競争や企業による権利侵害の方が問題になっているからでしょう。
「新自由主義」的価値観では「小さな政府」というスローガンの元、公共機関の民営化や規制緩和による業界参入障壁の撤廃による競争激化などを推奨する傾向にあります。
テクノロジーの進歩による働き方や生き方、などの変化も積極的に受け入れる傾向があり、善悪の判断基準にそれまでの伝統的常識より科学的思考や合理主義が採用される向きがある。自由貿易を積極的に推進する点も特徴です。ようするに個人の自由を妨げる要素を排除したがる思想です。それが正しいか否かはともかく。
従来は全て「共同体主義」だったと考えて良いと思います。技術の進歩の結果として伝統的常識にシステムとしての不具合がいくつも生じたので改修圧力が生じているのでしょう。例えば新興国の成長による世界の競争激化により企業が終身雇用を維持できなくなった結果として「忠誠心」が失われて転職や労使紛争が増え、従来の年功賃金や長時間労働が維持できなくなったりします。結婚育児介護も同様です。ITの発達する世界では働き方も急速に変わり熟練労働者になるのが難しくなったりします。黙って師匠の言うこと聞いて修行していたら職人自体が要らなくなってしまった。などということが頻繁に起きます。
伝統主義では変化に対応できないでしょう。だから新自由主義というものが台頭してきたのだろうと思っています。

y座標は「全体」と「個」の対立とも言えるでしょう。「個」の自由と権利を尊重すれば社会は若干混乱しやや秩序が乱れます。その代わり科学技術などの進歩へ素早く適応します。「共同体主義」と「自由主義」はどちらが正しくどちらが間違っているというものではなく、「全体」と「個」のどちらを現時点で重視するかというバランス感覚の対立と言えます。従って完全な「共同体主義」も「自由主義」も存在しません。

二次元でもまだ足りない多次元化する政治思想


従来はどちらかと言えば社会的、マクロ的価値観だけで政治的選択ができていたと思います。少なくとも政治家にそれほどの専門性は要求されなかったのでは無いでしょうか。法律と社会の仕組みが分かっていれば政治家の仕事が勤まっていました。
しかし最近は政治的意志決定にある程度専門知識を理解する必要性が出てきました。代表的な問題は原発問題とアベノミクスに代表されるマクロ経済政策でしょう。
これらの問題は社会学では解決できません。理解することができないので。
また、保守やリベラルといったイデオロギーとも問題の次元が違いすぎます。
上記の二次元xy座標には当てはまらないのです。
さらに二つの次元を追加して四次元にする必要があります。四次元を図で表すのは無理なので追加の二次元だけ分離して以下の図で表してみました。MN座標です。


政治的な判断に科学技術などの理系の専門性が必要になることは従来はあまり無かったと思います。
原発の問題などは科学者の公式発表では「福島の農作物や食品に放射能汚染の問題は無い」と発表されているにもかかわらず、過剰な除染作業や本来の原発事故による被害ではない風評被害による損害に対しても賠償が発生するなど、非科学的な政治決定を余儀なくされる場面も見受けられます。
子宮頸癌ワクチンの副作用を訴える風評被害も非科学的なものであるにも関わらず、ワクチン接種が義務化されなかったりします。
ITの活用などもひどい状況です。これは当ブログで淡々と説明していきます。
安全保障の分野でもオスプレイの事故率について誤ったデータが流布され米軍への配備反対運動に繋がったりします。オスプレイは自衛隊への導入も検討されているので国政にも影響します。(オスプレイには輸送機版のMV-22と特殊部隊仕様のCV-22の二種類があり、在日米軍に配備されたのは事故率の低いMV-22です。事故率の高いCV-22は配備されないにも関わらずその事故率が流布されました)

科学的に正しい政治判断をする勢力を科学技術派と呼ぶなら、上記のように科学技術を過剰に危険視して技術の導入を妨げる勢力を暫定的に「安心派」と呼びます。彼らの行動原理はよく分からないものに対する不安を避けるところにあるからです。
こういう人達は食品添加物も警戒してオーガニック食品を買ったり、電磁波も嫌ってスマホの使用を避けたり制限したり、基地局の設置に反対したりします。
「電気代がもったいないから」と言ってエアコン付けずに熱中症で倒れる高齢者。
「子供の内にエアコンに依存すると体温調節のできない弱い人間に育つ」といって小学校中学校のエアコン設置に反対する人々も「安心派」でしょう。子供が熱中症で死んでしまったら育つもクソも無いわけですが。
(体温調節機能は0歳児からせいぜい3歳までの幼児の段階で身につけるので小学生には関係ありません)

この人達のよく分からないところは「水素水」とか「マイナスイオン」対応の家電製品などを好んで買うところにあります。
水素については人間の腸内で毎日ガスが発生していて水素はその中に含まれているので納豆やタクアンなど発酵食品を摂取して腸内環境を整えた方が水素をたくさん摂取できると思います。水に溶ける水素の量などたかが知れています。
「マイナスイオン」については意味が分かりません。空気中の酸素や窒素といった分子がどこからか電子を受け取りマイナスの電荷に耐電しているのでしょうか?
水中ならともかく空気中でそんなこと起きるのか疑問です。その電子はどこから来たのでしょう。電子を失った分子はプラスに帯電しないのでしょうか? マイナスに帯電した分子とプラスに帯電した分子が引かれ合ってくっついたりしないのだろうか?
突っ込みどころ満載です。

経済学派と会計学派の対立


しばらく前から
「国の借金が多くなり大変だ!」
「国の借金1000兆円、国民一人あたり860万円」
「プライマリーバランスを黒字にして財政均衡を達成しなければならない」
「財政が苦しいのだから税金の無駄遣いをするな」
「歳出削減して合理化しなければならない」
とうるさいぐらいに訴えている声が聞こえてきていると思います。
そしてその声の主は右派にも左派にも居るはずです。
私はこの人達を「会計学派」と呼びます。

これに反論する声として
「国の借金では無く政府の借金だ。金を貸しているのは国民だから国民にとっては貸付金という資産だ、借金では無い」
「日本は世界一の債権国(金を貸している国)だから対外債務は無い」
「日銀は政府の所有物であり日銀の資産債務と政府の資産債務を合わせた『統合政府』で見た場合、政府債務は殆ど無い。財政再建は終わっている」
「総需要が不足しているのだから国債を発行して国内投資を増やし需要を増やせ」
この声の主は右派にも左派にも居るはずです。
私はこの人達を「経済学派」と呼びます。

結論から言いますと「会計学派」の主張は「間違い」かあるいは意図的な「嘘」です。信じてはいけません。
現在の日本経済はデフレ状態になります。正確にはインフレ率(食料とエネルギーを除いた消費者物価指数)は一応プラスなので厳密にはインフレなのですが理想的なインフレ率は2%であり現在は0.3%で理想より遙かに低い状態です。従ってデフレに近い状態という意味で「現在はデフレ」と言います。

デフレと財政の真相


デフレとは継続的に通貨(円、日銀債)の価値が上がり続ける状態を言います。
通貨とは物の価値を数値化したものです。
物と通貨は等価交換するものなので、通貨の価値が上がれば物の価値は下がります。
物の価値は通貨に対する相対的価値なのでこのようになります。

「金は天下の回り物」というように通貨は市場を循環して常にたくさんの価値と交換されるのが望ましいのです。
通貨の価値が上がり続け、物の価値が下がり続ければ人々は将来の為に通貨をより多く保有しようとします。これは人々が物を売ろう手放そうとすることを意味します。
結果として人々は通貨を銀行などに貯め込み取引を最小限にしか、しなくなります。
GDPは取引の合計なのでGDPが下がります。
日本経済が縮小します。GDPは所得の合計でもあるので国民が貧しくなることを意味します。
これがデフレの悪いところです。

インフレはこれの逆です。通貨の価値が下がり続けます。相対的に物の価値が上がり続けます。
通貨の価値が下がり続けるならば人々は通貨を売り、他の何か価値の上がるものに交換します。
結果として価値の交換である取引の量が増えます。
GDPは取引の合計なのでGDPが上がります。
GDPは所得の合計でもあるので国民が豊かになります。

但し例外もあります。
インフレ率が高すぎる場合、物価上昇に賃金上昇が恒常的に追いつかず国民がだんだん貧しくなります。
賃金上昇は物価上昇より遅れて来るためです。
インフレ率が2%程度で安定すれば賃金上昇も少し遅れて2%程度に追いつきバランスが取れます。

デフレ経済下でインフレを起こすには通貨の量を増やし通貨の価値を下げれば良いわけです。だから日銀は量的緩和を2013年から継続しています。
通貨は毎年80兆円を新規発行しています。
通貨を発行すればその価値を日銀が手に入れます。この価値を「通貨発行益」と呼びます。
日銀は政府の所有物です。(正確には日銀は政府が55%の株式を保有する株式会社です)
ということは間接的に政府は毎年80兆円の価値を手に入れているということです。
政府は直接日銀の持つ価値を使えませんから国債を発行して通貨と交換して通貨発行益を入手します。これはまったく問題の無い操作です。
国債を発行しすぎると国債の価値が下がってしまいますから国債発行額には限界がありますが、国債は円建てで発行されておりその価値は通貨(円、日銀債)に対する相対的価値になるので通貨発行額より多く発行しなければ価値は下がりません。
従って年間80兆円以下であれば新規国債を発行できることになります。
現在(西暦2018年)の税収は58兆円、新規国債発行額は34兆円です。
つまりその気になればあと44兆円新規国債発行額を増やし政府予算を増やすことができるのです。
年間総額138兆円の政府予算が使えることになります。
これだけ有れば福祉予算確保も教育育児費用の全面無償化も老朽インフラの改修も防衛費の倍増も何でも必要なことはできます。

将来通貨の価値が下がったら国債発行額を減らせば良いだけです。
インフレになれば好景気ですから税収が増えます。増えた税収を政府予算に組み込めば良いのです。それでも足りなければ増税という手もあります。好景気なら経済は増税に耐えられます。

会計学派はなぜ嘘をつくのか


なぜ会計学派は
「国の借金が多くなり大変だ!」
「国の借金1000兆円、国民一人あたり860万円」
「プライマリーバランスを黒字にして財政均衡を達成しなければならない」
「財政が苦しいのだから税金の無駄遣いをするな」
「歳出削減して合理化しなければならない」
などどいう嘘を付くのでしょう。

まず一つ言えるのは「ただ単に経済が分かっていない」からと言えると思います。
大半の人々は家計や企業の会計と同じ感覚で国家経済を認識していて、
「税収が58兆円しか無いのに歳出は92兆円もあるじゃないか!赤字で大変じゃ無いか」
「いずれ日本は赤字で破綻するじゃないか」
と騒いでいるのです。
彼らは政府(と日銀)は通貨を発行できて通貨発行益が政府予算に使えることを理解できていません。
実際は歳入を138兆円まで増やせるのに58兆円しか無いと思っていれば破綻を心配するのも当然ですが間違っています。

もう一つが実は日本の財政は健全であることを知りながら意図的に嘘を流布している人々もいます。
その代表格が「財務省」です。先の「日本の借金1000兆円」の話も財務省が出所です。
なぜ分かっていて嘘を言っていると断言できるかといえば、財務省自身が対外金融市場向けのメッセージでは経済学的に正しいことを主張しているからです。
有名な話なので「財務省 二枚舌」で検索してみてください。

財務省が嘘を付く理由は「消費税を増税する為」のようです。
消費税を増税したがる理由は
「消費税は景気に左右されない安定財源」
という理由と
「高齢化社会で所得税納税者である生産年齢人口が減るので高齢者にも課税できる消費税の税率を増やすべきだ」
という理由のようです。
一見もっともらしい理由のようですが、これも間違っています。
不景気というのはデフレのことですがデフレ経済下では先の説明のように通貨発行益が使えるので、「税収が減っても政府予算が不足したりしない」のです。
これはデフレの数少ないメリットです。
もう一つの高齢化云々ですが、
「生産年齢人口が減ると税収が減る」
という認識が誤りです。
税収はGDPに相関します。GDPが減れば税収も減ります。GDPが増えれば税収も増えます。
はつきり言って人口は直接関係ないのです。
「人口が減れば総需要が減るからGDPも減るじゃないか」という反論もあるかと思いますが、一人あたりの需要を増やせば人口が減ってもGDPは増えます。現実に世界の先進国、新興国のGDP増加率と人口増加率は相関していません。

つまり税収を増やしたければGDPが増える経済政策を取ればよく、それはインフレを起こし政府の国民への投資を増やして、総需要を増やす政策です。税率を上げる政策ではありません。
また、消費税というのは消費を冷え込ませ縮小してしまう性質があるため、増税すると需要を縮小してGDPを減らすことになります。
GDPが減れば長期的には税収も減ります。

「そこまで分かっていながらなぜ財務省は増税緊縮財政したがるのか」と考えた場合、もう国家を犠牲にしてでも自分たちの省益を確保しようとしているとしか考えられません。増税すれば財務省の発言権は増します。
緊縮を進めれば政治家や他の省庁に対する干渉がやりやすくなります。
現に予算不足を理由に厚生労働省に生活保護費引き下げを呑ませたり、
文科省の小中学校へのエアコン設置の要求を退けたり、
専制君主のように権限を振り回し、他の省庁や政治家の権限を侵食しているように見えます。

経済学派の人々は「財務省は廃止すべき」と主張しています。
少し前までは「財務省は解体すべし」だったのですが財務省への反感が増幅しています。
経済学派と会計学派の対立を整理すると以下のようになります。

会計学派経済学派
出口戦略金融緩和の加速
緊縮財政積極財政
消費税増税消費税減税または廃止
財政均衡主義財政改革は無意味だ。止めてしまえ
PB黒字化PBは赤字で良い
財務省に逆らうな財務省など廃止しろ
マスコミが言っていたマスコミなんか信用すんな

私の政治的志向


以上が私が認識している日本の政治言論空間であります。
他にも「極論」として「排外主義(嫌韓など)」「反日左翼」「ネオリベ」などについても話したかったのですが長くなりすぎるので割愛します。
また、これらは政治的影響力も弱く、さほど重要では無いと思います。
「反日左翼」はかつて野党の代表的政治思想だったと思いますが、現在では没落し政治的影響力の無い存在になったと認識しています。

政治思想の四次元座標の中での私の位置づけは、もっとも重要なものが「経済学派」になります。一般的に「リフレ派」と呼ばれる勢力です。
今の私はかなりの部分で政策判断を経済で考えるようになりました。一時的なものだと思いますが、現在の社会情勢が適切な経済政策を必要とするものなのでそのような形になっているのかもしれません。

安倍政権は安保、外交、災害対策、についてはほぼ正しい政策を実施し、経済政策についても金融緩和によって失業率を大幅に引き下げました。財政出動が不十分でインフレ目標が中々達成できませんが及第点でしょう。
働き方改革に関しては残業制限には賛成ですが高プロには反対です。
IRについてはどうでもいいです。パチンコは規制すべきでしょう。
原発は賛成です。

mn座標では両方プラスなので、右上になります。
xy座標では、私は保守でもリベラルでもないのでxは中庸のつもりです。もっとも左派から見れば右翼になるのでしょうが、そういう人には「おまえが左翼だから何でも右翼に見えるだけだろうが」と返しておきます。
y座標では「自由主義」に近いと思います。
しかし「ネオリベ」ではありません。「ネオリベ」は自由主義の中の「会計学派」だと思います。
大多数のネオリベが緊縮財政論者だからです。

全て数字で表し、100以下は中庸派。それを超えたら極論派とするなら、
私は以下の数字になると思います。
x = 20 (リベラル→保守派)...安保は右だが労働は左より
y = -50 (自由主義→共同体主義)...弱自由主義(TPP,EPA制限付き賛成)
m = 200 (会計学派→経済学派)...リフレ派全面支持
n = 50 (安全派→科学技術派)...原発は必要でしょ

以上です。
私が政治的に気にくわない方は本ブログを読まないことをお勧めします。

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オッサンです。実務経験は Windows環境にて C#,VB.NET ,SQL Server T-SQL,Oracle PL/SQL,PostgreSQL,MariaDB。昔はDelphi,C,C++ など。 趣味はUbuntu,PHP,PostgreSQL,MariaDBかな ?基本無料のやつ。

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